【2026最新】リハビリSOAPの書き方|PT/OT/ST別の記入例と臨床推論のコツ

リハビリ(PT/OT/ST)現場のSOAP記録の書き方を、変形性膝関節症・脳卒中後片麻痺・腰部脊柱管狭窄症・廃用症候群・COPD呼吸リハの疾患別5例とST嚥下評価(VF/VE/RSST/SD法)で解説。Aの臨床推論(ICFフレームワーク)、Pの解釈論争、法令根拠、AI記録ツール比較まで。学生・実習生から臨床現場まで使える完全版です。

15分で読める2026.06.14CareShift Media 編集部
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【2026最新】リハビリSOAPの書き方|PT/OT/ST別の記入例と臨床推論のコツ

日本の回復期リハビリ病棟の明るい訓練室で、理学療法士が平行棒内の患者の歩行訓練を支援している穏やかな場面

リハビリ現場(PT・OT・ST)のSOAP記録の書き方を、疾患別5例+ST嚥下・失語症事例で解説。AはICF構造化、Pの解釈論争・法令根拠・AI比較まで収載した実践版です。看護師の方は看護師のSOAP記録の書き方、介護職の方は介護現場のSOAP記録の書き方へ(PT/OT/ST専門)。


1. リハビリSOAPとは?PT/OT/ST共通の基本構成

リハビリ現場のSOAPは、PT・OT・STが患者状態をS(主観的情報)・O(客観的情報)・A(アセスメント)・P(計画)の4要素で構造化する記録形式です。リハ職は実施後に介入内容を記載します。法的位置づけは医師法第24条および厚労省通知医政発0912001号で規定されます。

SOAPは1968年にWeedが提唱した問題志向型医療記録(POMR)の核となる構造です。PT・OT・STは同じ形式を共有しますが、Oの評価データとPの専門領域が職種で異なります。医師が病名・治療方針を記すのに対し、リハ職は実施した評価・訓練と結果・今後の方向性を記録します。診療録の一部として医師法第24条・医政発0912001号に沿った記載が求められ、日本PT協会倫理ガイドラインでも記録の正確性と守秘義務が明示されています。


2. S・O・A・Pの意味とリハ職が記載すべき評価データ

リハビリSOAPの4要素(S/O/A/P)をS・OからA(ICF)を経てPへつなぐ矢印で示した清潔なフロー図

リハSOAPのO項目にはROM・MMT・Brs・ADL/FIM・TUG・5xSTS・BBS・バイタルの数値を必ず記載します。AはICFで構造化した臨床推論、Pは次回目標と評価タイミングを示します。看護SOAPはバイタル中心、リハSOAPは運動・活動の測定値が中心です。

要素リハ職の記載内容看護SOAP(soap-kango)との違い
S訴え・目標・生活での困りごと看護は症状中心、リハは活動目標を重視
OROM・MMT・Brs・FIM・TUG・BBS・バイタル看護はバイタル中心、リハは運動機能・活動測定が主
AS+Oを統合した臨床推論(ICF)いずれも事実の羅列ではなく因果を示す
P次回訓練・目標値・評価タイミングリハは長期・短期目標の階層を明示

O項目に記載すべき評価データ

  • ROM・MMT:関節可動域(度数)、徒手筋力0〜5(左右差)
  • Brs:脳卒中片麻痺回復段階I〜VI、上下肢・手指を分けて記載
  • ADL:FIM 18項目7点満点(126点)、Barthel 100点満点
  • 歩行・バランス:TUG 13.5秒超でリスク、BBS 56点満点(45以下で高リスク)、5xSTS 12秒超で低下
  • 呼吸:mMRC 0〜4、6MWT(距離・SpO2低下)、Borg

3. リハビリ職がSOAPを活用する5つのメリット

  1. 情報の構造化:4要素で整理するため経過と根拠を一瞥で把握でき、引き継ぎのズレを防げます。
  2. 他職種間の共有精度向上:同じSOAP形式を多職種で共有し、状態変化を追跡できます。
  3. 根拠に基づく介入の明示:Aに臨床推論を書くことで訓練選択の理由が伝わり、EBPの説明責任を果たします。
  4. 継続評価の仕組み化:Pに評価タイミングと目標値を明示すれば、効果判定を漏れなく実施できます。
  5. 教育的効果:指導者が学生・新人のAを添削することで臨床推論力を育成できます。

4. 【疾患別】SOAP記入例5選:TKA術後・脳卒中後片麻痺・腰部脊柱管狭窄症・廃用症候群・COPD呼吸リハ

訓練室で理学療法士が角度計(ゴニオメーター)を使用して患者の膝関節可動域を測定している場面

本章は回復期・維持期で定番の5疾患のSOAP記入例を、ROM・MMT・Brs・FIM・TUG・5xSTS・BBS・mMRC・6MWT等の数値データ付きで提示します。リハSOAPのAは事実の羅列ではなく「S+Oの統合から予後を予測し方針を導く」臨床推論(クリニカルリーズニング)が本質です。

#疾患主要O項目
変形性膝関節症(TKA術後)膝ROM 110→120度・MMT・NRS
脳卒中後片麻痺(回復期)Brs III・AFO・5xSTS・左荷重38%
腰部脊柱管狭窄症間欠性跛行・Kemp陽性・指床間距離
廃用症候群TUG 18秒・BBS 42点・Barthel
COPD増悪(呼吸リハ)mMRC 2・6MWT 280m・SpO2

① 変形性膝関節症(TKA術後)

  • S:正座希望(NRS4)
  • O:右膝ROM 110→120度(モビ後)・MMT4
  • A:膝蓋骨制限が主因・モビで10度改善
  • P:モビ・屈曲訓練・四頭筋強化、1週後ROM130度

② 脳卒中後片麻痺(回復期・左)

  • S:「早く歩きたい、転びたくない」
  • O:左上下肢Brs III・AFO・ぶん回し・左荷重38%
  • A:左下肢共同運動(伸筋優位)が膝屈曲と荷重不足を生じる
  • P:膝引き抜き反復・患側荷重40%以上、2週後5xSTS12秒

③ 腰部脊柱管狭窄症

  • S:「歩くと足がしびれて休まないと進めない」(500mで休憩)
  • O:間欠性跛行・Kemp陽性・SLR陰性(70度)・指床間距離0cm
  • A:後屈負荷で症状増悪し前屈位歩行が有効
  • P:腹筋・臀部筋強化・前屈位エルゴメータ、1か月後800m

④ 廃用症候群

  • S:「トイレだけは自分で行きたい」
  • O:TUG 18秒・BBS 42/56点・MMT3・BI 55
  • A:臥床による筋力低下とバランス低下が主因・移乗自立は1か月で可能
  • P:座位バランス・立位保持・移乗反復、1か月後TUG14秒

⑤ COPD増悪(呼吸リハ)

  • S:「階段で息切れ」(mMRC 2)
  • O:6MWT 280m・SpO2 96→91%・Borg 3
  • A:運動耐容能低下とSpO2低下(91%は注意域)・呼吸筋低下が制限
  • P:口すぼめ・腹式呼吸・軽負荷訓練、1か月後6MWT350m

5. 【職種別】ST(言語聴覚士)の嚥下・失語症SOAP事例:VF/VE/RSST/MWST/SD法を含む

嚥下評価の流れをスクリーニングから精査を経て食形態決定へつなぐ矢印で示したフロー図

STのSOAPは嚥下評価と失語症評価の2系統があります。嚥下ではVF(嚥下造影)・VE(内視鏡嚥下評価)にRSST・MWST・SD法を統合し誤嚥リスクを層別化します。失語症ではSLTA・WAB・Token Testで言語機能を定量化します。本章が本記事最大の差別化軸です。

手法正式名称SOAP位置づけ
VF嚥下造影O:誤嚥・残留・通過時間の精査
VE内視鏡嚥下評価O:咽頭残留・喉頭侵入・誤嚥の観察
RSST反復唾液嚥下テストO:30秒嚥下回数(3回未満で低下)
MWST改良水飲みテスト(3ml)O:むせ・湿性嗄声の有無
SD法嚥下障害スクリーニングO:問診と簡易検査の組合せ判定

嚥下障害のSOAP記入例(脳卒中後)

  • S:「水を飲むとむせる」・食事時間延長を指摘
  • O:RSST 1回/30秒・MWST湿性嗄声・VE:梨状窩残留・喉頭侵入・silent誤嚥疑い
  • A:咽頭期嚥下障害(液体優位)・肺炎リスク高・食形態調整と直接訓練で経口可能
  • P:とろみ付茶・ゼリー状食・メンデルソン手技・頭部前屈、1週後VE再評価・むせ時は報告

失語症のSOAP記入例(脳卒中後・ブルーカ失語)

  • S:家族より「伝わらずイライラする」と訴え
  • O:SLTA聴覚的理解6/呼称2/復唱3/書字1・WAB AQ42.5・音韣性錯語あり
  • A:ブルーカ失語(表出優位)・聴覚的理解は保たれ音韣性錯語が伝達を阻害・代償手段が有効
  • P:呼称・復唱・書字訓練・AAC(絵カード・ノート)・家族指導、1か月後呼称3/10

6. A(アセスメント)の書き方:ICFフレームワーク×クリニカルリーズニング

リハSOAPでAが最重要です。ICFの「心身機能・身体構造」「活動」「参加」の3レベルに環境・個人因子を加え、S+Oを統合して原因を考察し予後を予測するのがクリニカルリーズニング(臨床推論)です。事実の羅列で終わらず「なぜその介入が必要か」の論理で説明責任を担保します。

ICFレベル記載する問題点と根拠
心身機能・身体構造ROM制限・筋力低下・痙縮・感覚障害の程度と影響
活動歩行・ADL・嚥下・コミュニケーション制限をFIM・TUG等の数値で示す
参加役割・社会復帰・QOLへの影響、患者目標との乖離
環境・個人因子家族支援・住宅環境・本人の意欲等

クリニカルリーズニングの3ステップ

  1. 事実の統合(S+O):訴えと評価データを突き合わせ、背景の機能的問題を特定します。「転びたくない(S)」と「5xSTS 15秒(O)」を組合せれば動的バランス低下が背景と分かります。
  2. 原因の考察:機能的問題がなぜ起きるかをICFレベルで考察します。ぶん回し歩行は共同運動、TUG延長は筋力低下かバランス障害を鑑別します。
  3. 予後予測と方針:回復期か維持期かを見極め、次回目標と評価タイミングをPに繋ぎます。

7. Pの書き方と解釈論争:Program派・Plan派・SOAPE/R-SOAP変法

リハSOAPのPには当日実施内容(Program)と次回計画(Plan)のどちらを書くかで現場が二分されています。リハ職は実施後に記載するためProgram派が主流です。変法としてSOAPE(E=効果)・R-SOAP(R=所見)も実用され、自施設の規定に従うことが前提です。

流派Pの記載内容特徴
Program派(主流)当日実施した訓練内容・量・反復実施事実の証明、請求整合
Plan派次回の訓練目標・評価計画・目標値継続方針の明示、退院目標と連動
両方併記派当日実施内容+次回目標情報量最大、記述量は増える

SOAP変法のバリエーション

  • SOAPE:E(Effect=効果)を追加。当日介入のS/O変化を記録。
  • R-SOAP:R(Remark=所見)を先頭に追加。特記事項を強調。
  • SOAP(I):I(Intervention=介入)をPと分離して記載する流派。

8. 学生・実習生が指導者に赤入れされやすいNG集とOK例

実習レポートで赤入りしやすい10パターンをNG例とOK例の対比で示します。

① 主観表現のO項目への混入

  • NG:O「元気に歩いていた」
  • OK:O「T字杖・両足歩行、0.8m/s、休憩なしで50m」

② 数値データ不足

  • NG:O「筋力は低下している」
  • OK:O「大腿四頭筋MMT3・殿筋3、左右差あり」

③ Aが事実の羅列で推論なし

  • NG:A「ROM制限と筋力低下がある」
  • OK:A「大腿四頭筋MMT3と膝ROM110度が階段昇降を困難に、筋力強化と可動域訓練を優先すべき状態」

④ Pが抽象的

  • NG:P「歩行訓練を続ける」
  • OK:P「階段昇降(片手すり)5往復・1週後MMT4、転倒予防で見守り」

⑤ 評価タイミングの欠落

  • NG:P「経過を見る」
  • OK:P「1週後ROMとMMT再評価、疼痛の有無を確認」

9. 【2026最新】リハビリ現場のAI記録ツール比較:音声AI・電子カルテ自動SOAP・嚥下評価AI

リハビリ訓練室の休憩スペースで、理学療法士がBluetoothイヤホンを使いタブレットに音声入力でSOAP記録を作成している場面

記録作成時間を削減するAIツールを5系統で比較します(soap-kangosoap-kakikataで実績の当メディア独自比較)。

系統代表サービス最大の差別化ポイント
音声入力AIAmiVoice(アドバンスト・メディア)医療専門用語の認識精度と連携
音声認識mimi(フェアリーデバイスズ)多言語対応とAPI連携の柔軟性
電子カルテ統合Medimo(ミズホ・情報総研)等S/O/A/P自動振り分けと真正性対応
嚥下評価AIえんげAI等の画像解析VE画像から誤嚥・残留を自動検出
リハ特化AIリハプラン・PEPリハビリ等FIM・Brs等の評価データ構造化

各系統の活用ポイント

  • AmiVoice・mimi:訓練直後に音声入力で記録。リハ用語も辞書登録済み。
  • Medimo等の電子カルテ統合型:S/O/A/P自動振り分けで真正性要件に対応。
  • えんげAI等:VE画像から嚥下リスクを自動検出しSTの判定負荷を軽減。
  • リハプラン・PEPリハビリ等:FIM・Brs・TUG等の構造化に特化。

10. よくある質問

Q1. Pには次回計画(Plan)と当日実施内容(Program)のどちらを書くべきですか?

実施後に記録するリハ職では当日実施内容(Program)が主流。評価タイミングと目標値の明示が継続評価の精度を高めます。

Q2. STの嚥下評価(VF/VE/RSST等)はSOAPのどの項目に書くべきですか?

VF・VE・RSST・MWST・SD法はO項目。誤嚥リスクと食形態の判断はA、食形態・訓練計画・評価タイミングはPに示します。

Q3. 学生の実習レポートでSOAPのA(アセスメント)が薄いと指摘される理由は何ですか?

Aが事実の羅列で推論がないのが典型です。ICFの3レベルで問題を構造化し、S+Oから予後を予測しPにつなげる論理を書くと評価が高まります。

Q4. リハビリ現場で使えるAI自動SOAP記録ツールはありますか?

音声AI(AmiVoice・mimi)・電子カルテ統合(Medimo等)・嚥下画像AI(えんげAI等)・リハ特化AI(リハプラン等)が実用化。事実確認と記録責任はリハ職にあります。


11. まとめ:リハビリSOAPでチーム連携と根拠明示を徹底する

リハビリSOAPはPT・OT・ST共通の記録形式で、OにROM・MMT・Brs・FIM・TUG等の数値を記載し、AをICF構造化の臨床推論で書くことで他職種連携と根拠明示を徹底できます。ST嚥下・失語症事例と法令根拠、AI記録ツール比較まで押さえ、学生から臨床現場まで使える記録力が身につきます。関連として介護記録の書き方(5W1H+NG例)ケアプラン文例集もご覧ください。

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CareShift Media 編集部

介護・看護現場の課題解決に役立つ情報を発信する専門メディア。ケアマネージャー、看護師、理学療法士など現場経験を持つ編集部員が執筆しています。

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