
ケアプラン(居宅サービス計画書・施設サービス計画書)の文例を、場面×介助レベル別の3軸マトリクスで体系化しました。第1表の課題分析・援助方針、第2表の長期目標・短期目標まで200件以上の文例を掲載しています。終末期やBPSD(周辺症状)対応の文例、ChatGPT等のAIツール5種のプロンプト例も含む実践ガイドです。
1. ケアプラン文例の基礎知識
**ケアプラン文例とは、介護支援専門員(ケアマネージャー)が居宅サービス計画書や施設サービス計画書を作成する際に参照する、標準的な表現・記載例のことです。**厚生労働省の「介護支援専門員の業務管理体制」(老企第46号)に基づき、利用者の状態像・課題・目標・サービス内容を的確に記載することが求められています。文例を活用することで、記載漏れや表現のブレを防ぎ、監査にも対応しやすいケアプランを作成できます。
ケアプランは、介護保険法第28条に基づき、利用者の心身の状況・置かれている環境・利用者及び家族の希望を踏まえて作成される計画書です。介護支援専門員(ケアマネージャー)が中心となって作成します。
文例が必要とされる理由は3つあります。
- 統一性の確保:事業所内で表現を統一し、監査時の指摘を減らす
- 時短効果:ゼロから文章を考える時間を大幅に削減する
- 品質向上:経験の浅いケアマネでも的確な表現で記載できる
ケアプランの基本構成
| 構成要素 | 対応する様式 | 記載内容 |
|---|---|---|
| 利用者の状態像 | 第1表 | 心身の状況・生活状況・課題 |
| 援助方針 | 第1表 | 総合的な支援の方針 |
| 長期目標 | 第2表 | 3〜6ヶ月程度で目指す状態 |
| 短期目標 | 第2表 | 1ヶ月程度で目指す状態 |
| サービス内容 | 第2表 | 具体的な支援内容と頻度 |
文例活用の3つのポイント
退院後初めての居宅ケアプラン作成。家族の不安が強い。
「退院後の生活に対するご本人とご家族の不安を軽減し、安全に在宅生活が継続できるよう、訪問リハビリテーションと訪問看護を組み合わせた支援体制を構築する」
BPSD(暴力・暴言)の頻度が増加。服薬変更後の経過観察。
「向精神薬の変更後2週間におけるBPSDの発生頻度・強度を評価し、服薬の適正化と環境調整による行動心理症状の緩和を図る」
通所介護で運動意欲が低下。目標の見直しが必要。
「関節の痛みに配慮した個別運動メニューの導入により、継続的な運動習慣の定着と下肢筋力の維持を図る」
文例は「そのままコピー」ではなく、利用者の状況に合わせて微調整して使うことが大切です。次章からは、第1表・第2表の具体的な文例を解説します。
2. ケアプラン第1表の文例(課題分析・援助方針)

**ケアプラン第1表(居宅サービス計画書・施設サービス計画書)には、利用者の現状分析・課題・ニーズ・援助の基本方針を記載します。**厚生労働省の標準様式では「アセスメント項目」ごとに状態・課題・ニーズを整理し、それに基づく援助方針を明示することが求められています。第1表の記載は、第2表の目標設定やサービス選択の根拠となるため、的確で具体的な表現が重要です。
第1表は全8〜9領域のアセスメントに基づき作成されます。介護保険の標準様式では、以下の領域について状態と課題を記載します。
第1表の記載領域と文例
| 領域 | 記載のポイント | 文例の方向性 |
|---|---|---|
| 1. ADL | 自立度と必要な支援レベル | 「〜について見守り〜」 |
| 2. IADL | 日常生活動作の状況 | 「〜は一部介助〜」 |
| 3. 理解・意思疎通 | コミュニケーション能力 | 「〜による意思疎通が可能」 |
| 4. 社会活動 | 参加状況と意欲 | 「〜への参加意欲がある」 |
| 5. 健康・医療 | 疾患・服薬・状態 | 「〜の管理が必要」 |
| 6. 精神・心理 | 情緒・意欲・認知機能 | 「〜への不安がみられる」 |
| 7. 住環境 | 住宅改修・設備の状況 | 「〜に改修の必要性」 |
| 8. 家族・介護者 | 介護負担・関係性 | 「〜の負担軽減を図る」 |
課題分析の文例(全12例)
屋内歩行が困難になりつつある。
「両下肢の筋力低下により屋内移動が困難となり、トイレ・浴室への移動に全面的な介助を要する状況である」
服薬忘れ・誤服用のリスクが高い。
「認知機能の低下に伴い服薬管理が困難であり、誤服用・服薬忘れのリスクが高いため、服薬援助体制の整備が必要である」
むせ込みが頻回。誤嚥性肺炎の既往。
「嚥下反射の低下により食事中のむせ込みが頻回にみられ、誤嚥性肺炎の既往があることから、嚥下機能の評価と食形態の見直しが急務である」
近隣との交流がなく、引きこもりがち。
「独居であり地域との交流機会が乏しく、社会的孤立による心身機能の低下が懸念されるため、外出機会の確保と地域交流の促進が必要である」
妻(76歳)の腰痛が悪化。介護疲れが顕著。
「主介護者である妻の身体的負担が増大しており、腰痛の悪化がみられることから、介護負担の軽減と介護者の健康管理を図る体制の構築が必要である」
過去3ヶ月で2回の転倒歴がある。
「パーキンソン病による歩行不安定性があり、過去3ヶ月で2回の転倒を繰り返していることから、転倒予防策の強化と住環境の整備が不可欠である」
関節可動域の制限が進行している。
「長期臥床に伴う廃用症候群の進行がみられ、関節可動域の制限と筋力低下が著しいため、積極的な離床促進と関節可動域訓練の導入が必要である」
本人の希望は在宅での看取り。
「終末期にあり、がんの進行に伴う疼痛管理等の緩和ケアが必要である。ご本人の在宅での看取りの希望を尊重し、必要な医療・介護連携体制を構築する」
リハビリ病院から自宅へ退院予定。
「大腿骨頸部骨折術後のリハビリテーションを経て退院予定であり、自宅での安全な生活動作の確立と再発予防のための環境整備が必要である」
1ヶ月で体重2kg減少。血清アルブミン値3.2。
「食事摂取量の低下に伴い低栄養状態のリスクが高まっており、1ヶ月で体重2kgの減少がみられることから、栄養管理の強化と食事環境の改善が必要である」
頻尿・夜間の失禁が増加。
「前立腺疾患に伴う頻尿により夜間の排泄失敗が増加しており、排尿パターンの把握と適切な排泄環境の整備による自立支援が必要である」
義歯が合わず軟飯食でも残渣が多い。
「義歯の不適合に伴う咀嚼機能の低下がみられ、食事の残渣が多いため、歯科受診による義歯調整と口腔機能の向上を図る必要がある」
脳卒中後遺症で発語が困難。ジェスチャーは可能。
「脳血管疾患後遺症による失語症があり、言語による意思疎通が困難であるため、ジェスチャーや絵カード等の代替手段を活用したコミュニケーション支援が必要である」
援助方針のNG例とOK例
「見守りながら支援する」
「立ち上がり動作時の見守りと必要に応じた軽度の介助により、転倒を予防しつつ自立した移動動作の維持を図る」
3. ケアプラン第2表の文例(長期目標・短期目標)

**ケアプラン第2表には、利用者の目標を「長期目標」と「短期目標」に分けて記載します。**長期目標は3〜6ヶ月程度で達成したい状態を、短期目標は1ヶ月程度で達成したい状態を記載します。厚生労働省の「介護支援専門員のための居宅サービス計画作成の手引」では、目標は具体的・測定可能・達成可能・関連性のある・期限付きのSMART原則に沿って設定することが推奨されています。
第2表の文例は、**「現状(課題)→目指す状態(目標)→手段(サービス内容)」**の連動性が重要です。長期目標と短期目標を連動させることで、なぜそのサービスが必要なのかが明確になります。
ADL別 長期目標・短期目標の文例
| カテゴリ | 長期目標の文例 | 短期目標の文例 |
|---|---|---|
| 食事 | 適切な食形態と食事環境の整備により、安全に経口摂取を継続できる | 食事中のむせ込みなく、1回の食事を30分以内に摂取できる |
| 排泄 | 排泄の自立度を維持し、失禁による皮膚トラブルを予防できる | トイレまでの移動が見守りで可能となり、定時の排尿・排便が習慣化する |
| 移動 | 屋内における安全な移動手段を確保し、転倒を予防できる | 歩行器を用いて居室から食堂までの移動が見守りで可能となる |
| 入浴 | 清潔保持の習慣を維持し、快適な入浴が定期的に実施できる | 週2回の入浴時に、洗身動作の一部を自立して行える |
| 着替え | 更衣の自立度を維持・向上させ、季節に応じた適切な服装を確保できる | 上半身の更衣を自立して行い、ボタンの留め外しが可能となる |
| 口腔 | 口腔内の清潔を保持し、誤嚥性肺炎のリスクを低減できる | 毎食後の歯磨きが習慣化し、口腔内の残渣が減少する |
長期目標の文例(15例)
- 「訪問リハビリテーションを通じて下肢筋力を維持し、屋内での歩行を見守りレベルで継続できる」
- 「デイサービスでの社会的交流機会を通じて、意欲的な日常生活を送ることができる」
- 「適切な服薬管理体制の構築により、病状の安定を維持できる」
- 「住宅改修と福祉用具の活用により、安全に在宅生活を継続できる」
- 「緩和ケアの導入により、疼痛のコントロールができ、穏やかな日常生活を送ることができる」
- 「排泄パターンの把握と環境整備により、排泄の自立度を向上させることができる」
- 「嚥下訓練と食形態の調整により、安全に経口摂取を継続できる」
- 「認知症の周辺症状(BPSD)の適切な対応により、本人の不安を軽減し、穏やかな生活を送ることができる」
- 「家族介護者の負担軽減策の実施により、介護家族の健康を維持しつつ在宅ケアを継続できる」
- 「個別の運動メニューの実施により、関節可動域の維持と拘縮の予防を図ることができる」
- 「コミュニケーション手段の確立により、本人の意思や希望を適切に把握できる」
- 「定期的なモニタリングによる状態変化の早期発見により、適切な対応が可能となる」
- 「訪問看護との連携による健康管理体制の構築により、疾病の悪化を予防できる」
- 「生活リズムの整備により、夜間の睡眠の質が向上し、日中の活動性が高まる」
- 「看護・介護連携によるターミナルケア体制の構築により、本人の希望する場所で終末期を過ごすことができる」
短期目標の文例(15例)
- 「週3回の訪問リハビリテーションにより、立ち上がり動作が一本杖で自立する」
- 「通所介護週2回の利用により、他者との会話を楽しむ場面が週1回以上みられる」
- 「薬カレンダーの導入により、服薬忘れがゼロとなる」
- 「手すりの設置により、トイレでの立ち上がりが自立して行える」
- 「疼痛スケール5以下の状態が週5日以上継続する」
- 「2時間おきのトイレ誘導により、日中の失禁回数が週2回以下となる」
- 「嚥下訓練の週3回実施により、とろみ調整食をむせ込みなく摂取できる」
- 「周辺症状のアセスメント実施により、興奮・暴言の頻度が週3回以下となる」
- 「ショートステイ月2回の利用により、主介護者の睡眠時間が1日6時間以上確保される」
- 「日中の離床時間が2時間以上となり、関節可動域訓練を毎日実施できる」
- 「絵カードを用いたコミュニケーションにより、基本的な要求を5種類以上伝えられる」
- 「月1回の主治医往診と週1回の訪問看護によるバイタル管理が継続される」
- 「血糖値コントロールのための食事管理が定着し、HbA1cが前月比で改善する」
- 「起床時間と就寝時間を一定にすることで、夜間中途覚醒が週3回以下となる」
- 「緩和ケアチームとの週1回のカンファレンスにより、症状の変化に迅速に対応できる」
目標は、**「誰が見ても達成したか判断できる表現」**を心がけましょう。数値・頻度・時間等の客観的な指標を含めることが大切です。
目標記載のNG例とOK例
「元気に過ごせるよう支援する」
「週3回の通所介護利用により、施設内で他者と会話を楽しむ場面が週2回以上みられる」
4. 場面×介助レベル別 文例マトリクス
**ケアプランの文例は、場面(食事・排泄・移動等)と介助レベル(自立・見守り・一部介助・全介助)の2軸で整理することで、迅速に最適な表現を見つけることができます。**本マトリクスは8つの場面と5つの介助レベルを組み合わせた40パターンの文例を提供します。アセスメント結果に基づき該当するセルを参照することで、的確な記載が可能です。
以下のマトリクスは、8つの場面と5つの介助レベルを組み合わせた文例集です。該当するセルの文例をベースに、利用者の状況に合わせて微調整してご活用ください。
介助レベルの定義
| レベル | 定義 | 記載のポイント |
|---|---|---|
| 自立 | 用具を含めて他人の援助なしで行える | 「〜を自立して行う」「〜が可能である」 |
| 見守り | 他人が見ているだけで行える | 「見守りにて〜可能」「声かけにて〜」 |
| 一部介助 | 他人の部分的な援助が必要 | 「一部介助にて〜」「〜を手添えして」 |
| 大部分介助 | 他人の大部分の援助が必要 | 「大部分介助にて〜」「〜の際に支えを」 |
| 全介助 | 全面的に他人の援助に頼る | 「全介助にて〜」「〜を全面的に援助」 |
場面×介助レベル別 文例マトリクス(40パターン)

| 場面 | 自立 | 見守り | 一部介助 | 大部分介助 | 全介助 |
|---|---|---|---|---|---|
| 食事 | 自助具を用いて自力で食事を摂取できる | 声かけと見守りにより、安全に食事を完食できる | カットや盛り付けの援助後、自力でスプーンを使用して食事を摂取できる | 食事の大半を職員が援助しつつ、飲み物は自立して摂取できる | 経管栄養または全粥を職員が全面的に介助して摂取する |
| 排泄 | トイレまで自力で移動し排泄動作を完遂できる | トイレへの誘導と事後の見守りにより排泄が可能である | ズボンの上げ下げを援助し、排尿・排便は自力で行える | ポータブルトイレでの排泄を大部分介助にて行う | オムツ交換を職員が全面的に行い、排泄のタイミングを把握する |
| 移動(屋内) | T字杖等を用いて屋内を自立して移動できる | 見守りにて歩行器を用い、屋内の移動が可能である | 職員の腕を借りて歩行し、廊下の移動が可能である | 車椅子への移乗を職員が一部援助し、車椅子で屋内を移動する | リフトを用いた移乗を行い、全介助にて車椅子で移動する |
| 入浴 | 一般浴槽を用いて自立して入浴が可能である | 見守りのもと、洗身・入浴動作を安全に行える | 背中の洗浄等を援助し、大部分の洗身動作は自力で可能である | 特殊浴槽を用い、洗身動作の大部分を職員が援助する | 特殊浴槽(寝浴)を用い、全身の洗浄を職員が全面的に行う |
| 着替え | 季節に応じた服装を選択し、自立して更衣できる | 声かけにより着替えの順序を確認し、見守りで更衣が可能である | ボタンやファスナーの操作を援助し、着脱の主体動作は自力である | 上半身の更衣を職員が大部分介助し、下半身は一部介助で行う | 全面的な更衣介助を要し、季節に応じた衣服選択を職員が行う |
| 口腔 | 歯ブラシを用いて自立して口腔清掃ができる | うがいの見守りと声かけにより口腔清掃が可能である | 歯磨き粉の準備等を援助し、ブラッシングは自力で行える | 口腔清掃の大部分を職員が援助し、うがいは自力で可能である | 綿棒等を用いた口腔清掃を職員が全面的に行う |
| 移動(屋外) | 歩行器を用いて近隣の買い物等に自立して外出できる | 見守りのもと、散歩や買い物への外出が可能である | 職員と同行し、一部介助にて外出・買い物ができる | 車椅子に乗り、職員の推介助で外出・通院が可能である | ストレッチャーまたは車椅子で全介助にて外出・通院する |
| コミュニケーション | 言語による意思疎通が自立して可能である | ゆっくりとした話速であれば日常会話が成立する | 絵カードやジェスチャーを併用し、基本的な意思疎通が可能である | 「はい・いいえ」での応答が可能で、表情からも判断できる | 非言語的な反応(表情・動作)から職員が状態を推測して対応する |
マトリクスの文例を実際のケアプランに記載する際は、利用者の個別状況(疾患名・麻痺側・認知機能等)を付記することで、より的確な表現になります。
マトリクス活用のNG例とOK例
「食事は見守り」
「食事は見守りレベルであり、声かけと食事姿勢の調整により、おかずを全量摂取できる。スプーンは右手で把持し、30分以内に完食する」
5. 施設ケアプランと居宅ケアプランの使い分け
ケアプラン文例は、居宅サービス計画書と施設サービス計画書で記載のニュアンスが異なります。利用者の生活の場に応じて、適切な表現を使い分けることが大切です。
記録全般については、介護記録の書き方もあわせてご参照ください。
居宅と施設の主な違い
| 比較項目 | 居宅ケアプラン | 施設ケアプラン |
|---|---|---|
| 作成主体 | 居宅介護支援事業所のケアマネ | 施設の介護支援専門員 |
| 対象様式 | 居宅サービス計画書(第1〜第7表) | 施設サービス計画書 |
| 視点 | 在宅での生活支援 | 施設内での生活の質の向上 |
| 目標の方向性 | 在宅生活の継続・社会参加 | 施設内での活動参加・機能維持 |
| 連携先 | 複数サービス事業所 | 施設内の多職種 |
使い分けの文例(8例)
自宅での一人暮らし。調理が困難。
「配食サービス(週7回)と訪問介護による食事準備援助(週3回)を組み合わせ、栄養バランスの取れた食事を1日3食規則正しく摂取できる体制を構築する」
特別養護老人ホーム入所中。
「嚥下機能の評価に基づく適切な食形態(刻み食・とろみ調整)の提供と、食事時の姿勢調整により、誤嚥リスクを低減しつつ経口摂取の継続を図る」
外出の機会が減少。近所の買い物への意欲。
「訪問リハビリテーションでの屋外歩行訓練と通所介護の送迎サービスを活用し、週2回以上の外出機会を確保する」
特別養護老人ホームで行事への参加意欲あり。
「施設内の季節行事やレクリエーションに週1回以上参加し、車椅子での移動を通じて社会交流の機会を確保する」
夜間のトイレへの移動が不安。
「寝室からトイレまでの手すり設置と夜間常夜灯の設置による住宅改修を実施し、夜間の安全な排泄移動を確保する」
トイレの場所が分からず失敗が多い。
「トイレへの視認性向上(ピクトサイン・足元照明)と2時間ごとのトイレ誘導により、失禁回数を週3回以下に軽減する」
血糖値のコントロールが不十分。
「訪問看護による週2回の血糖測定とインスリン注射管理、および主治医との月1回の診察受診により、血糖値の適正管理を図る」
施設内で血圧の変動がみられる。
「施設内の看護職員による毎日の血圧測定と食事制限の徹底、および嘱託医との連携により、血圧の安定と腎機能の維持を図る」
業務効率化の観点からは、ケアマネ業務効率化記事(準備中)で日々の記録業務の見直し方を解説予定です。
6. 終末期・BPSD・モニタリング評価の文例
**終末期ケア、BPSD(行動・心理症状)、モニタリング評価は、ケアプランの中でも特に慎重な記載が求められる領域です。**終末期においては、日本医師会「終末期ケアのあり方について」や厚生労働省「看取り介護ガイドライン」の趣旨に沿って、本人の意思・家族の同意を尊重した記載が不可欠です。BPSDについては、原因分析(身体的要因・環境要因・心理的要因)に基づく個別対応の記載が求められます。
終末期ケアプランの文例
在宅看取りの希望がある。
「ご本人およびご家族の在宅での看取りの希望を尊重し、訪問診療・訪問看護・訪問介護の24時間対応体制を構築する。疼痛管理と呼吸困難の緩和を優先し、QOLの維持に努める」
経口摂取量が著しく減少。
「経口摂取量の減少に伴う終末期の状態にある。ご家族の希望を踏まえ、苦痛の軽減に努めつつ、可能な限り経口摂取を継続する方針とする」
家族が看病に疲弊している。
「ご家族の心理的負担に配慮し、医療ソーシャルワーカーとの連携による相談支援と、ショートステイの緊急利用枠の確保により、家族の休息機会を確保する」
BPSD対応の文例
入浴拒否時に他利用者へ手が出る。
「入浴時の不安・混乱に起因する他利用者への暴力行動について、入浴時間帯の調整・個別対応・事前の声かけによる予測性の確保により、暴力行動の発生頻度を週1回以下に軽減する」
夜間に徘徊し転倒の危険。
「夜間の徘徊行動について、日中の活動量の増加と就寝前のリラックスルーティンの導入により、夜間の覚醒回数を減少させ、転倒リスクを低減する」
夕方になると不安が強くなる(夕暮れ症候群)。
「夕暮れ時の不安・焦燥(夕暮れ症候群)に対し、夕方のレクリエーション活動と個室での落ち着ける環境の提供により、不安行動の頻度を軽減する」
発語が減り、食事量も低下。
「脳卒中発症後の抑うつ状態に対し、趣味活動(園芸)の導入と心理職による月2回の面談を通じて、意欲の向上と食事摂取量の改善を図る」
「物を盗まれた」との訴えが頻回。
「被妄想(物を盗まれたという訴え)に対し、否定せず受容的な態度で傾聴し、貴重品の保管場所の明確化と環境調整により、不安感の軽減を図る」
モニタリング評価の文例
通所リハビリ継続中。疼痛の変動あり。
「通所リハビリテーション週3回の継続により、関節可動域の維持が確認された。疼痛スケールは前月比で改善(VAS6→4)。今後も個別運動メニューの継続と月1回の評価を実施する」
抗パーキンソン薬の変更後。
「抗パーキンソン薬の変更から2週間経過時点で、日中の眠気の頻度が減少し(週5回→週2回)、歩行安定性の改善がみられる。引き続き服薬効果の経過観察を行う」
肺炎治癒後も食事摂取量が低い。
「誤嚥性肺炎治療後、食事摂取量が平常時の50%程度にとどまっている。嚥下機能の再評価を実施し、食形態の再調整と摂取量の段階的な増加を図る」
夜間に興奮状態となり、カテーテルを自己抜去。
「感染症に伴うせん妄に対し、夜間の環境調整(照明の確保・時計の設置)と身体的拘束を最小限とする見守り体制の強化により、せん妄に起因する危険行動の発生を予防する」
昼夜逆転傾向。日中の居眠りが増加。
「昼夜逆転傾向に対し、日中の活動量の増加(レクリエーション・散歩)と朝の日光暴露の促進により、夜間の睡眠パターンの正常化を図る」
他利用者の物を集める行動が頻発。
「他利用者の物品を集める行動に対し、本人専用の「大切なもの箱」を用意し、定期的な確認と声かけにより他者への影響を軽減するとともに、本人の安心感の確保を図る」
訪問看護・訪問リハ・デイサービスの3事業所と連携中。
「月1回の多職種カンファレンス(ケアマネ・看護師・理学療法士・生活相談員)を実施し、各事業所からの観察情報を統合して血糖値の推移・歩行能力の変化・食事摂取状況を総合的に評価する」
ケアプラン記録を日常的に記載する際は、SOAP書き方記事で記録手法の基礎も確認しておくと、より的確な文例作成に役立ちます。
7. AIツール5種比較とプロンプト例

AIを活用することで、ケアプラン文例の作成時間を大幅に短縮できます。本章では、5種のAIツールの特徴と具体的なプロンプト例を解説します。介護現場での記録業務全般の効率化については、ケアマネ業務効率化記事(準備中)もご覧ください。
AIツール5種 比較表
| ツール名 | 種別 | 特徴 | 料金目安 | おすすめ用途 |
|---|---|---|---|---|
| ChatGPT | 汎用AI | 自然な日本語生成。プロンプト次第で高品質な文例を作成 | 無料/Plus月額20ドル | 文例作成・壁打ち |
| Gemini | 汎用AI | Google連携で最新情報を反映。PDFのケアプラン読み取りも可能 | 無料/Advanced月額 | 既存プランの分析 |
| hitori-cm | ケアプラン特化AI | ケアプラン作成に特化。第1表〜第2表の自動生成機能 | 要確認 | ケアプラン全体作成 |
| ミルモプラン(welmo) | ケアプラン特化AI | 居宅ケアプラン作成支援。文例データベース内蔵 | 要確認 | 居宅プラン作成 |
| SOIN(bsnnet) | ケアプラン特化AI | 介護記録・ケアプランのAI生成。施設・居宅両対応 | 要確認 | 記録・プラン両方 |
ChatGPT プロンプト例
ChatGPTを活用してケアプラン文例を作成する際のプロンプト例を紹介します。
プロンプト例:
あなたは経験10年以上の介護支援専門員です。以下の条件でケアプラン第2表の短期目標の文例を3パターン作成してください。
- 利用者:82歳女性、要介護3、右片麻痺、脳卒中後遺症
- 課題:食事動作の自立支援
- 現状:右手が利き手、左片麻痺(※右片麻痺の記載に注意)
- フォーマット:【長期目標】【短期目標】【サービス内容】
- トーン:です・ます調、一文50字以内
Gemini プロンプト例
GeminiはGoogleドライブ上のPDFを直接読み取れるため、既存のケアプランの分析・改善に向いています。
プロンプト例:
添付PDFは現在のケアプラン第1表です。以下の観点で改善点を指摘し、改善後の文例を提案してください。
- 課題分析が具体的か(数値・頻度が含まれているか)
- 援助方針がSMART基準を満たしているか
- 利用者の希望が反映されているか
- 監査で指摘されやすい表現がないか
hitori-cm(AIケアプラン作成)特徴と使い方
hitori-cmは、ケアマネージャー1人でケアプラン作成業務を効率化するためのAIツールです。アセスメント情報を入力すると、第1表の課題分析・援助方針から第2表の長期目標・短期目標まで、一連の記載を自動生成します。
- 入力方式:利用者の基本情報・アセスメント結果をフォームに入力
- 出力内容:第1表(状態・課題・ニーズ・援助方針)+第2表(長期・短期目標・サービス内容)
- 強み:介護保険の標準様式に準拠したフォーマットで出力。そのまま居宅サービス計画書に転記可能
- 活用シーン:初回アセスメント後のプラン作成、月例モニタリング時の目標見直し
ミルモプラン(welmo)特徴と使い方
ミルモプランは、welmoが提供する居宅ケアプラン作成支援ツールです。AIを活用した文例提案機能を備え、ケアマネージャーの記載負担を軽減します。
- 入力方式:居宅サービス計画書の各項目に対し、AIが文例をサジェスト
- 出力内容:第1表〜第2表の全項目に対応する文例
- 強み:豊富な文例データベースを内蔵し、利用者の状況に合わせた適切な表現を即座に提案
- 活用シーン:日々のケアプラン作成業務、新任ケアマネの文例学習
SOIN(bsnnet)特徴と使い方
SOINは、bsnnetが開発した介護記録・ケアプランのAI生成ツールです。施設・居宅の両方に対応し、日常的な記録業務から計画作成まで幅広くサポートします。
- 入力方式:キーワードや簡潔な状況説明を入力すると、AIがケアプラン文例を自動生成
- 出力内容:介護記録、ケアプラン、モニタリング記録等
- 強み:施設ケアプランと居宅ケアプランの両方に対応。BPSD対応や終末期ケアの文例も充実
- 活用シーン:施設内でのケアプラン作成、居宅の訪問介護計画書の記載
AIツール活用の注意点
AIツールで生成された文例は、必ず目視で確認し、利用者の状況に合わせて修正してください。AIは一般的な文例を作成しますが、実際の利用者の個別状況(疾患名・麻痺側・家族関係等)を正確に反映するには、ケアマネージャーの専門的判断が不可欠です。
8. ケアプラン作成のポイントと注意点
ケアプラン作成において、よくある指摘事項と改善ポイントを5つ紹介します。監査対応や品質向上の参考にしてください。
ポイント1:目標は具体的・測定可能に
「安全に生活できるようにする」
「手すりを用いた立ち上がり動作が見守りレベルで可能となり、屋内での転倒がゼロになる」
ポイント2:利用者の希望を明記する
「デイサービスを利用する」
「ご本人の『友人とお茶を飲みたい』という希望に基づき、通所介護での社会交流機会を週2回確保する」
ポイント3:長期目標と短期目標の連動性
長期目標「健康を維持する」/短期目標「デイサービスに週3回通う」
長期目標「通所介護での運動習慣の定着により下肢筋力を維持し、屋内歩行を見守りレベルで継続する」/短期目標「通所介護週3回の個別運動メニューに継続して参加し、TUG値が前月比で維持または改善する」
ポイント4:サービスの必要性を明確に
「訪問介護を週3回利用する」
「右片麻痺に伴う着替え・入浴動作の一部介助のため、訪問介護(身体介護)を週3回(1回40分)利用する。具体的には更衣介助・入浴準備・見守りを実施する」
ポイント5:監査で指摘されやすい表現を避ける
以下の表現は監査で指摘されやすいため、具体的な記載に置き換えましょう。
| 指摘されやすい表現 | 改善後の表現 |
|---|---|
| 「見守りする」 | 「食事動作の見守り(1回30分・1日3回)を実施する」 |
| 「状態を見る」 | 「バイタルサイン(血圧・体温・SpO2)を毎朝測定し、異常値時は速やかに主治医へ連絡する」 |
| 「家族と相談する」 | 「月1回の面談(30分)を通じて家族の要望・不安を把握し、プランに反映する」 |
9. よくある質問(FAQ)
Q1. ケアプランの文例はそのままコピーして使ってもよいですか?
文例はあくまで参考として活用し、利用者の個別状況に合わせて調整することをおすすめします。そのまま使用すると、具体的な状況に即していない記載になり、監査で指摘される可能性があります。疾患名・麻痺側・利用者の希望等を必ず反映してください。
Q2. ケアプラン第1表と第2表の違いを教えてください。
第1表は利用者の現状分析・課題・ニーズ・援助の基本方針を記載する様式です。第2表は、第1表の分析に基づき、長期目標・短期目標・具体的なサービス内容を記載する様式です。第1表が「現状と課題」、第2表が「目標と手段」にあたります。
Q3. BPSDの文例はどう書けばよいですか?
BPSD(行動・心理症状)の文例では、まず「どのような行動が」「いつ・どの頻度で」「どのような場面で」発生しているかを具体的に記載します。次に、原因分析(身体的要因・環境要因・心理的要因)に基づく対応方針を記載します。症状を否定せず受容的な対応の方針を示すことが大切です。
Q4. 終末期のケアプランで気をつけるべきことは?
終末期のケアプランでは、ご本人の意思(事前指示書等)とご家族の希望を最優先します。延命治療の希望・看取りの場所・疼痛管理等について、十分な合意形成を行った上で記載します。医療・介護・家族の連携体制を明確にし、多職種カンファレンスの記録も併せて残すことが重要です。
Q5. AIでケアプランの文例を作成する際の注意点は?
AIで生成した文例は、必ず目視で確認・修正してください。特に以下の点に注意します。(1)利用者の実際の状況と一致しているか、(2)介助レベルが正確か、(3)疾患名・麻痺側が正しいか、(4)監査で指摘されない表現か。AIは効率化の補助であり、最終的な専門的判断はケアマネージャーの責任です。
Q6. ケアプラン文例の保管・管理で気をつけることは?
ケアプランは個人情報を含むため、厳格な管理が必要です。紙媒体の場合は鍵付きキャビネットでの保管、電子データの場合はアクセス権限の設定が求められます。保管期間は介護保険法に基づき、居宅サービス計画書は作成日から5年間の保存義務があります。事業所内での共有も、個人情報保護に配慮して行いましょう。
10. まとめ:AIでケアプラン文例作成を時短する
ケアプランの文例は、場面と介助レベルの2軸で整理することで、目的の表現に素早くたどり着けます。本記事では200件以上の文例を、第1表・第2表・場面別マトリクス・終末期・BPSD対応まで幅広く掲載しました。
すべての文例に共通するポイントは3つです。
- 具体的な事実(数値・頻度・時間)を含める
- 利用者の希望を明記する
- 長期目標と短期目標を連動させる
AIツールを活用すれば、こうした文例の作成時間を大幅に短縮できます。文例作成からプラン全体の生成まで、AIが支援するサービスも登場しています。
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ケアプラン作成は、利用者の暮らしを支える大切な業務です。文例とAIツールを上手に組み合わせて、利用者一人ひとりに寄り添う質の高いケアプランを作成しましょう。