ケアプランとは?第1表〜第7表の構造と作成サイクル完全ガイド
ケアプラン(居宅サービス計画書)とは、要介護認定を受けた方が在宅で適切な介護サービスを利用するための個別の支援計画です。介護保険法に基づいて作成され、第1表から第7表までの厚生労働省の標準様式で構成されます。本記事では、ケアプランの定義と法的位置づけから、各表の構造、作成サイクル、目標の立て方までを網羅的に解説します。

1. ケアプランとは?居宅サービス計画の定義と法的位置づけ
**ケアプラン(居宅サービス計画書)とは、要介護認定を受けた高齢者が自立した在宅生活を送れるよう、介護保険法に基づいて作成される個別の支援計画のことです。**厚生労働省の「指定居宅介護支援等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」では、居宅介護支援事業者が利用者の心身の状況や環境、本人・家族の希望を踏まえて計画を作成することを定めています。利用者の自己決定を尊重し、状態に応じたサービスを組み合わせることが、ケアプランの根幹に置かれています。
ケアプランは、介護保険法(平成9年法律第123号)が定める居宅介護支援の中核を担う文書です。要介護1〜5の認定を受けた方が在宅でサービスを利用する場合、原則としてケアプランの作成が必要になります。
法的な位置づけを整理すると、次の3点が重要です。
- 根拠法令:介護保険法および同施行令・施行規則、並びに居宅介護支援の運営基準(厚生労働省令)
- 作成主体:居宅介護支援事業所に所属する介護支援専門員(ケアマネジャー)
- 費用負担:要介護認定を受けた方のケアプラン作成は介護保険から全額給付され、利用者負担は発生しません(※サービス利用時の1〜3割負担とは別です)
居宅サービス計画と施設サービス計画の違い
介護保険でいう「計画書」には、大きく2種類があります。1つは在宅向けの居宅サービス計画書、もう1つは入所施設向けの施設サービス計画書です。本記事では主に、ケアマネジャーが作成する居宅サービス計画書を取り上げます。
| 区分 | 居宅サービス計画 | 施設サービス計画 |
|---|---|---|
| 対象者 | 在宅の要介護者 | 介護保険施設に入所する方 |
| 作成者 | 居宅介護支援のケアマネジャー | 施設の介護支援専門員 |
| 主な様式 | 第1表〜第7表 | 施設サービス計画書 |
💡 各表の具体的な記入例や文例は、ケアプラン文例200選で場面別に整理しています。あわせてご参照ください。
2. ケアプランの役割とケアマネジャーの職責
**ケアプランの役割は、利用者の状態像と希望を整理し、必要なサービスを過不足なく組み合わせて、安全で継続可能な在宅生活を支えることです。**厚生労働省「介護支援専門員のための居宅サービス計画作成の手引」では、課題の分析から目標設定、サービスの選定、継続的なモニタリングまでを一貫して行うことが求められています。ケアプランは単なるサービスの注文書ではなく、利用者の暮らしを支える設計図として機能します。
ケアマネジャー(介護支援専門員)は、ケアプランの作成と管理に加え、複数事業所との連絡調整や給付管理を担います。その職責は多岐にわたります。
ケアマネジャーの主な役割
- アセスメント:利用者の心身・生活・家族状況を総合的に把握する
- 計画作成:課題分析と目標設定を踏まえ、サービスを組み合わせる
- 連絡調整:サービス事業所・主治医・家族との橋渡しを行う
- モニタリング:月1回以上、目標達成度を評価し計画を見直す
- 給付管理:給付管理票を作成し、介護給付の適正化を図る
ケアマネジャーの職責のNG例とOK例
❌ NG: 「サービス事業所をいくつか手配してプランに書き込む」 ✅ OK: 「利用者の希望と課題を分析した上で、必要なサービスの種類・頻度・事業所を選定し、その根拠を第1表・第2表に明示する」
3. 第1表〜第7表の構造一覧
**居宅サービス計画書は、第1表から第7表までの7つの標準様式で構成され、それぞれに明確な記載目的があります。**厚生労働省の標準様式では、第1表がアセスメントと援助方針、第2表が目標とサービス内容、第3表が週単位のスケジュールを担当します。第4表以降は施設サービスの利用、モニタリング評価、計画作成の経過、利用者・家族の意向を整理する役割を持ちます。7表を連動させることで、筋の通った計画を担保します。
居宅サービス計画書の各表は、厚労省の標準様式に沿って運用されます。なお、事業所が導入するシステムによっては表の名称や分割が一部異なる場合がありますが、記載すべき内容は共通しています。
第1表〜第7表の比較
| 表 | 名称(主な役割) | 主な記載内容 |
|---|---|---|
| 第1表 | アセスメント・課題分析表 | 心身・生活状況、課題・ニーズ、援助の基本方針 |
| 第2表 | 目標・サービス計画表 | 長期目標・短期目標、サービスの内容と頻度 |
| 第3表 | 週単位サービス計画表 | 1週間のスケジュール別のサービス配置 |
| 第4表 | 施設サービス等利用表 | 短期入所等の施設サービスの利用計画 |
| 第5表 | モニタリング評価表 | 目標達成度の評価と計画の見直し結果 |
| 第6表 | 計画作成経過表 | 計画作成・変更の経過、担当者会議の結果 |
| 第7表 | 利用者・家族意向表 | 利用者・家族の意向、生活に対する位置づけ |
💡 第2表の目標記載文例を多数収録したケアプラン文例200選と併せて読むと、各表の記載イメージが掴みやすくなります。
4. ケアプラン作成のサイクル:アセスメント→課題分析→目標設定→サービス選定→モニタリング
**ケアプランの作成は、アセスメント・課題分析・目標設定・サービス選定・モニタリングという5つのプロセスを一つのサイクルとして回します。**厚生労働省の「標準的なアセスメント・モニタリング手法の在り方に関する検討会」報告書は、この一連のプロセスを計画的・継続的に実施することを推奨しています。一度作成して終わりではなく、状態変化に応じて見直し続けることが、質の高いケアマネジメントの前提です。
ケアプラン作成は、線形の作業ではなく循環型のプロセスです。各ステップの要点は以下の通りです。

5つのステップ
- アセスメント:面談と観察、関連情報の収集を通じて利用者の全体像を把握します。ADL(日常生活動作)や認知機能、住環境、家族状況までを含めて評価します。
- 課題分析:集めた情報から、解決すべき課題と利用者の強み・資源(ストレングス)を整理します。
- 目標設定:長期目標と短期目標を設定し、達成可能で測定可能な表現にします。
- サービス選定:目標達成に必要なサービスの種類・頻度・事業所を選定し、第2表・第3表に落とし込みます。
- モニタリング:サービス開始後、月1回以上で目標達成度を評価し、計画を改訂します。
アセスメント精度を高めるポイント
客観的で網羅的なアセスメントには、標準化された評価尺度の活用が効果的です。ADLや認知機能の評価には、FIMやBarthel IndexなどのADL評価尺度を活用すると、数値に基づいた比較が可能になります。
5. 短期目標と長期目標の立て方
**ケアプランの目標は、長期目標(3〜6ヶ月程度で目指す状態)と短期目標(1ヶ月程度で目指す状態)の2層で設定します。**厚生労働省「介護支援専門員のための居宅サービス計画作成の手引」では、目標は具体的・測定可能・達成可能・関連性のある・期限付きのSMART原則に沿って設定することが推奨されています。長期と短期を連動させることで、なぜそのサービスが必要かが明確になります。
目標は、**「誰が見ても達成したか判断できる表現」**を心がけます。数値・頻度・時間などの客観的な指標を含めることがポイントです。
長期目標と短期目標の違い
| 項目 | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 期間 | 3〜6ヶ月程度 | 1ヶ月程度 |
| 視点 | 目指す生活像・状態 | その月の達成目標 |
| 表現 | 全体像を示す | 数値・頻度で測定可能 |
目標記載のNG例とOK例
❌ NG: 長期目標「元気に過ごせる」/短期目標「デイサービスに通う」 ✅ OK: 長期目標「通所介護での運動習慣の定着により下肢筋力を維持し、屋内歩行を見守りレベルで継続する」/短期目標「通所介護週3回の個別運動に継続参加し、Timed Up & Go Testの数値を前月比で維持または改善する」
💡 目標の根拠となる利用者の状態変化は、SOAP(ソープ:主観的情報・客観的情報・評価・計画の4要素で構成する記録法)方式の記録で整理すると、目標と評価の連動性が高まります。詳細な目標文例はケアプラン文例200選をご覧ください。
6. 月1回のモニタリング評価とプラン改訂
**ケアプランは作成して終わりではなく、月1回以上のモニタリング評価を通じて継続的に見直します。**居宅介護支援の運営基準では、サービスの利用状況や目標達成度を定期的に評価し、必要に応じて計画を改訂することが求められています。モニタリング結果は第5表に記録し、評価の根拠や変更内容を次月の計画に反映します。これにより、状態変化に即応した柔軟なケアマネジメントが可能になります。
モニタリングは、ケアプランの質を維持・向上させるための要です。実務上のポイントを整理します。
モニタリングの実施ポイント
- 頻度:原則月1回以上。状態変化が大きい時期は頻度を上げます
- 評価対象:短期目標の達成度、サービスの適切性、利用者の満足度
- 記録様式:評価結果と変更の有無を第5表に記載します
- 変更時の対応:目標・サービスを見直し、第2表・第3表を改訂します
モニタリング記録のNG例とOK例
❌ NG: 「デイサービスに通っている。特に変化なし。」 ✅ OK: 「通所介護週3回を継続。屋内歩行は見守りレベルを維持。Timed Up & Go Testは前月12.5秒→今月11.8秒と改善。下肢筋力訓練の継続が有効と評価し、現行計画を継続する。」
💡 月例モニタリング業務の効率化については、モニタリング記録の書き方(ケアマネ向け)で具体的な進め方を解説しています。また、作成からモニタリングまでをAIで効率化する手法は、AIでケアプラン作成も併せてご参照ください。
まとめ:7表を連動させ、循環型のケアマネジメントを
ケアプラン(居宅サービス計画書)は、介護保険法に基づく居宅介護支援の中核文書で、第1表から第7表までの標準様式で構成されます。各表の役割を理解し、アセスメント→課題分析→目標設定→サービス選定→モニタリングのサイクルを回し続けることが、質の高いケアマネジメントの鍵です。
最後に、本記事の要点を3つにまとめます。
- 法的位置づけ:介護保険法と居宅介護支援の運営基準に基づき、ケアマネジャーが作成する
- 7表の構造:第1表(アセスメント)から第7表(家族意向)まで、各表が連動する
- 循環プロセス:月1回のモニタリングで計画を見直し、状態変化に即応する
具体的な文例や記入例はケアプラン文例200選を、モニタリングの進め方はモニタリング記録(ケアマネ向け)を併せてご活用ください。
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