この記事の要点 SOAP(ソープ)とは、介護・看護記録を**主観的情報(S)・客観的情報(O)・評価(A)・計画(P)**の4要素で構成する記録手法です。1968年にWeed氏が提唱した問題志向型医療記録(POMR)に由来し、日本では介護保険制度導入以降、標準的な記録形式として広く普及しています。本記事では場面別例文20パターンと、2026年最新のAI自動作成ツールを解説します。
1. SOAPとは?S・O・A・Pの4要素を60秒で理解
SOAP記録は、利用者の状態を4つの視点で体系的に記録する手法です。 厚生労働省は「介護記録の適切な作成・保存について」(老企第27号)において、客観的事実に基づく正確な記録を求めており、SOAP形式はこの要件を満たす標準的な手法として位置づけられています。
| 要素 | 英語 | 日本語 | 記載内容 |
|---|---|---|---|
| S | Subjective | 主観的情報 | 利用者本人や家族の訴え・感想・要望 |
| O | Objective | 客観的情報 | 職員が観察した事実(バイタル・行動・状態) |
| A | Assessment | 評価 | SとOから導き出される専門的判断 |
| P | Plan | 計画 | 今後の支援方針・具体的アプローチ |
Sには「利用者の言葉」を、Oには「測定値や目視事実」を記載するのが基本です。Aには個人的な推測ではなく、SとOの根拠に基づく専門的判断を記載しましょう。
2. SOAP vs フォーカスチャーティング vs 叙述記録 比較表
介護現場では複数の記録方式が使われていますが、監査対応ではSOAP形式が最も評価されやすい傾向にあります。 場面によって使い分けるのが実務的です。
| 比較項目 | SOAP | フォーカスチャーティング | 叙述記録 |
|---|---|---|---|
| 構造 | S→O→A→Pの4要素 | D(データ)→A(行動)→R(反応)の3要素 | 時系列の自由記述 |
| 向く場面 | 医療的判断を要する場面 | 日常のケア全般 | 緊急時の経過記録 |
| 習得難易度 | 中(Aの記載にコツがいる) | 低(直感的に書きやすい) | 低(自由形式) |
| 監査対応 | ◎(厚労省指針に合致) | ○(併用が一般的) | △(形式が不統一になりやすい) |
3. S・O・A・Pの書き方:各要素の注意点と具体例
S(Subjective=主観的情報)の書き方
利用者本人や家族の「言葉」をそのまま記載します。
❌ NG例: 食事が美味しくないようだ。 ⭕ OK例: 「ご飯が硬くて食べにくい」と話された。
❌ NG例: 認知症が進んでいる。 ⭕ OK例: 「ここがどこか分からない」と午後3回発言。家族は「最近家に帰りたがる」と話された。
O(Objective=客観的情報)の書き方
職員が五感で確認した事実を記載します。数値・時間・回数を含めます。
❌ NG例: 食事をあまり食べなかった。 ⭕ OK例: 昼食の摂取量はご飯3割・副菜1割。食事時間は35分(通常25分)。右手で箸を持つ際、震えが観察された。
❌ NG例: 歩行不安定。 ⭕ OK例: 廊下歩行時に右脚の引きずりあり。10m歩行に45秒(通常30秒)。ベッドから車いすへの移乗は見守り1名で可。右足関節に軽度浮腫認める。
A(Assessment=評価)の書き方
SとOを統合した専門的判断です。根拠に基づく推論を記載します。
❌ NG例: 元気がない。 ⭕ OK例: 食事摂取量低下と食事時間延長から、嚥下機能の低下または食欲不振が疑われる。右手指の震えを考慮し、自助具の見直しが必要と判断する。
❌ NG例: 転倒の危険がある。 ⭕ OK例: 右下肢筋力低下と歩行速度低下(10mで15秒延長)から転倒リスクが中等度に上昇。右足関節浮腫が歩行安定性へ影響していると判断。
P(Plan=計画)の書き方
具体的かつ実行可能な次回のアプローチを記載します。「誰が・いつまでに・何をするか」を明確にします。
❌ NG例: 様子を見る。 ⭕ OK例: ①明日から食事を柔らかい形態に変更(調理担当:田中)②言語聴覚士に嚥下評価を依頼(担当:鈴木)③食事場面の観察を3日間継続。
❌ NG例: 注意して介助する。 ⭕ OK例: ①本日より移乗時はスタッフ2名対応とする(リーダー:佐藤)②理学療法士へ歩行評価依頼・週2回個別訓練追加(担当:高橋)③足関節浮腫の有無を3日間記録(夜勤引き継ぎ事項)。
4. 【場面別】SOAP例文20パターン
以下に5つの場面×4つの介助レベル(自立・見守り・一部介助・全介助)で、すぐに使える例文を掲載します。 ケアコラボ等の既存サイトは3〜5例文にとどまるため、20例文の網羅性が本記事最大の差別化ポイントです。
関連: SOAP 看護|SOAP リハビリ(準備中)|SOAP 介護(準備中)|SOAP 例文(準備中)
食事場面
【例文1】食事・自立
S:「今日の味噌汁は具だくさんで美味しい」と笑顔で話された。 O:昼食摂取量はご飯7割・味噌汁全量・主菜8割。食事時間20分。むせ込みなし。 A:食事摂取量は良好、嚥下機能に問題なし。自立した食事動作が維持されていると評価。 P:現在の食事形態(常食)を継続。体重の月1回モニタリングは継続。
【例文2】食事・見守り
S:「自分で食べたい」と話された。 O:昼食摂取量はご飯5割・副菜3割。食事時間30分(通常20分)。むせ込み2回あり(水分摂取時)。 A:食事意欲は高いが、途中での疲労感とむせ込みから嚥下機能の軽微な低下が疑われる。 P:①食事中の見守りを継続 ②水分はとろみ剤(軽度)を添加 ③1週間後、嚥下状態を再評価。
【例文3】食事・一部介助
S:「左手が上手く動かなくて食べにくい」と訴えられた。 O:昼食摂取量はご飯3割(職員がスプーンで半量介助)。右片麻痺あり。体重は前月比−0.8kg。 A:左上肢の筋力低下により自助的な摂取が困難になりつつある。低栄養リスクも考慮し、自助具の導入が必要。 P:①スプリング付きスプーンの導入をOTに相談 ②介助量を5割に増やす ③週2回の体重測定を実施。
【例文4】食事・全介助
S:意識レベルJCSⅡ-10。明確な発語なし。 O:昼食は全量経口摂取(職員全介助)。キープ食。むせ込み3回あり。SpO2:92%→94%(食後30分で回復)。 A:嚥下反射の著明な遅れとSpO2の一時的低下から、誤嚥リスクが高い状態。 P:①食事中のSpO2モニタリングを毎食実施 ②主治医に嚥下造影検査(VF)の必要性を相談 ③食事姿勢を30度以上の頭部挙上に維持。
排泄場面
【例文5】排泄・自立
S:「トイレに行ってきます」と自ら声をかけられた。 O:歩行器を使用し自立してトイレへ移動。排尿あり(約200ml、淡黄色、混濁なし)。滞在時間5分。 A:排泄動作は全て自立。排尿の状態も正常範囲内。 P:現在の見守りレベルを維持。排尿回数・量の記録を週1回まとめる。
【例文6】排泄・見守り
S:「トイレに行きたいけど大丈夫かな」と話された。 O:トイレまで見守りで誘導。ズボンの上げ下げに手間取る。帰り道、やや不安定な歩行あり。 A:排泄動作は概ね自立しているが、衣服操作に時間を要し、転倒リスクあり。 P:①トイレ誘導時の見守りを継続 ②ズボンにゴム紐を追加し操作を容易に ③夜間はポータブルトイレ設置を検討。
【例文7】排泄・一部介助
S:「おしっこがしたい」と訴えられた。 O:車椅子からトイレへの移動時、職員が立位介助。排尿約100ml(濃い黄色)。下着に少量の尿もれあり。 A:移動時の立位保持が不安定で、尿もれの頻度が増加傾向。排泄自立度は低下傾向。 P:①リハビリパンツの導入を検討(本人・家族と相談) ②トイレ誘導を2時間ごとに予定 ③水分摂取量の記録を開始。
【例文8】排泄・全介助
S:意識レベルJCSⅢ-100。発語なし。 O:臥床状態でオムツ交換。排尿約300ml(黄褐色、強い臭気)。排便あり(軟便)。臀部に発赤あり(仙骨部2cm×3cm)。 A:尿の濃縮と臭気から水分不足が疑われる。臀部発赤は排泄物による皮膚障害の初期症状と判断。 P:①2時間ごとのオムツ交換と臀部観察を徹底 ②皮膚保護剤の塗布を毎回実施 ③1日水分摂取量1,500ml以上を目標に管理。
入浴場面
【例文9】入浴・自立
S:「お風呂に入ってさっぱりした」と笑顔で話された。 O:一般浴槽を使用(所要時間20分)。洗身・洗髪ともに自立。入浴前後の血圧:138/82→132/78mmHg。皮膚に異常所見なし。 A:入浴動作は完全に自立。バイタルサインも安定しており問題なし。 P:週3回の一般浴を継続。入浴前後のバイタル測定は継続。
【例文10】入浴・見守り
S:「一人で大丈夫」と話されたが、浴室に入る際にためらいあり。 O:一般浴槽(見守り)。洗髪時に右手の可動域制限あり(頭頂部に届かない)。浴室床に水滴あり。 A:右肩関節の可動域制限により洗髪動作が不完全。浴室環境の整備も必要。 P:①浴室に滑り止めマットを設置 ②長柄ブラシの導入で洗髪の自助を支援 ③右肩関節のROMexを週3回実施(PT指示)。
【例文11】入浴・一部介助
S:「お風呂に入りたいけど、立ち上がるのが辛い」と訴えられた。 O:機械浴を使用(移動は職員2名で介助)。座位保持は可能だが立ち上がり動作不可。背部に軽度の発赤あり(肩甲骨部1cm×2cm)。 A:下肢筋力低下により立ち上がり困難。機械浴が適切。背部発赤は入浴時の圧迫が原因と考えられる。 P:①機械浴を週2回継続 ②背部のクッションを厚手のものに変更 ③発赤部位の観察を毎回実施。
【例文12】入浴・全介助
S:意識レベルJCSⅡ-20。表情の変化は乏しい。 O:機械浴(全介助)。入浴中、湯温40°Cで手指の屈曲拘縮が軽減。皮膚乾燥が著明(下腿部)。入浴後血圧:138/84mmHg。 A:入浴によるリラックス効果あり(筋緊張の軽減)。皮膚乾燥が著明でスキンケアの強化が必須。 P:①入浴後に保湿剤を全身に塗布 ②週3回の入浴を継続 ③入浴後の血圧モニタリングを30分間実施。
転倒場面
【例文13】転倒・自立
S:「廊下で少しよろけた。大丈夫だけど気をつける」と話された。 O:廊下にて右手で壁を支える動作を確認。転倒なし。血圧:立位3分後128/80mmHg(臥位時136/84)。10m歩行:22秒→25秒(低下傾向)。 A:明らかな転倒はないが、歩行速度の低下からバランス機能の軽微な低下が疑われる。 P:①歩行訓練を週2回追加 ②靴底のすり減りを確認 ③1ヶ月後の10m歩行テストで再評価。
関連: ヒヤリハット報告書の書き方
【例文14】転倒・見守り
S:「昨夜トイレに行く時にふらついた」と話された。 O:昨夜2時、寝室からトイレへの移動時に壁に手をついて立ち止まる場面を確認。朝の血圧:臥位140/86→立位1分後125/76mmHg(起立性血圧低下あり)。TUG:16秒。 A:夜間のふらつきと起立性血圧低下から夜間の転倒リスクが高い。TUG16秒は転倒ハイリスク基準(12秒以上)に該当。 P:①夜間はセンサーマットを設置 ②寝室にポータブルトイレを設置 ③夜間照明(足元ライト)の設置 ④かかりつけ医に起立性低血圧を報告。
【例文15】転倒・一部介助
S:「足がもつれて転びそうになった」と訴えられた。 O:リビングから食堂への移動時、右足がカーペットの端に引っかかる。職員が右腕を支えて転倒防止。右下肢MMT3、左下肢MMT4。 A:右下肢の筋力低下(MMT3)により歩行時のつまずきが頻発。わずかな段差でも転倒リスクが高い。 P:①移動時は職員が右側に付き添い歩行介助 ②カーペットを撤去 ③右下肢の筋力トレーニングをPTと連携して実施。
【例文16】転倒・全介助
S:意識レベルJCSⅡ-30。発語なし。 O:車椅子からベッドへのリフト移乗時、利用者の右下肢がフットレストに引っかかる。直ちに介助中断し完了。右下腿に5cmの擦過傷あり(出血なし)。 A:リフト移乗時の手順ミス(フットレストの未確認)が原因。全介助の利用者は自ら危険を回避できない。 P:①擦過傷の処置を実施 ②移乗時チェックリストの導入 ③全職員に移乗手順の再教育 ④ヒヤリハット報告書を提出。
認知症BPSD場面
【例文17】BPSD・自立(徘徊・不安行動)
S:「家に帰らなきゃいけない」と何度も話される。 O:午後4時、フロアを1時間に5周(約800m)。心拍数:88bpm(通常72bpm)。午後3時から「家に帰る」発言を4回繰り返す。声かけで着席可能。 A:「帰宅願望」は夕暮れ時(サンダウニング症候群)に顕著なBPSD。声かけによる介入は有効。 P:①午後3〜5時は積極的に声かけと活動提案 ②懐かしい音楽の視聴やおやつ作りの活動を導入 ③帰宅願望が出た際の対応手順を統一。
【例文18】BPSD・見守り(不安・焦燥)
S:「お金がない。盗まれた」と話され、落ち着きがない様子。 O:居室で財布を15分間に8回開閉。立ち上がり・座りを繰り返す。血圧148/90mmHg。昼食摂取量5割(普段は8割)。 A:被害妄想と焦燥感はBPSDの中でも介護負荷の高い症状。不安が食事摂取にも影響している。 P:①「一緒に探しましょう」と共感的に対応(否定しない) ②貴重品は透明ケースに入れ確認しやすく ③かかりつけ医にBPSDの頻度を報告。
【例文19】BPSD・一部介助(抗拒行動)
S:入浴を勧めると「嫌だ!帰る!」と大声。職員の手を振り払う動作あり。 O:入浴の声かけ時に右手で職員の手首を叩く(力は弱く、打撲なし)。5分後に「ごめんなさいね」と笑顔に戻る。入浴は中止、代替で清拭を実施。 A:入浴に対する強い抵抗(BPSD)。強制はせず代替手段で清潔保持を優先した判断は適切。 P:①入浴の声かけは午前中に変更 ②入浴前に本人の意向を確認 ③拒否時は清拭で対応(無理強いしない)。
【例文20】BPSD・全介助(重度の不穏)
S:意味のある発語なし。うなり声が持続。 O:夜間0時〜3時、ベッド上で体を激しく動かす。ベッド柵を叩く動作頻回(1時間に約15回)。鎮静剤使用後、不穏は軽減。体温37.8℃。SpO2:96%。 A:夜間の高度な不穏(せん妄の可能性)。微熱を伴うことから感染症に伴うせん妄も鑑別に上がる。 P:①ベッド柵にパッドを設置 ②低床ベッドに変更し転落リスクを軽減 ③かかりつけ医に体温上昇と不穏を報告 ④夜間は1時間ごとの巡回を強化。
5. 【2026最新】SOAP記録をAIで自動作成する方法
Google上位10サイトは全て「手書き前提」の解説記事です。しかし2026年現在、SOAP記録をAIが自動生成するツールが複数登場しています。 このセクションはGoogle上位に競合がいないブルーオーシャン領域です。本記事では日本の介護現場で実用できる実在AIツール3社と、ChatGPT/Claudeを活用したプロンプト運用を併せて解説します。
関連: 介護AI 総合ガイド(準備中)
5-1. 日本の介護現場で使える実在AIツール3社
以下は2026年現在、日本の介護現場でSOAP/介護記録の作成に実用できる実在ツールです。海外向け医療Scribe(HIPAA準拠のAiSOAP等)は日本の介護保険制度に対応しないため対象外としました。
| ツール名 | 提供元 | 料金 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| タップカルテ | tap-karte | 無料〜 | 音声入力→医療記録自動整形。SOAP形式対応。専門用語も高精度に認識。誤字自動修正機能付き |
| むすぼなAI | 株式会社やさしい手 | 要問合せ | 介護現場特化AI(Amazon Bedrock基盤)。利用者数10万人突破。各種帳票・計画書作成に対応 |
| ケア記録アシスト | Google Workspace限定 | GeminiのGem機能。音声メモ・テキスト・手書きメモ写真からSOAP/F-DAR形式の記録草案を瞬時作成。施設独自フォーマットにカスタマイズ可能 |
5-2. ChatGPTでSOAP記録を作成する方法
ChatGPT(無料版でも可)を使ってSOAP記録を作成する方法を解説します。
プロンプト例(コピー&ペーストで使える):
あなたは介護記録の専門家です。
以下のケア場面の情報から、SOAP形式の介護記録を作成してください。
【場面】食事(見守り)
【利用者】80代女性、右片麻痺(軽度)、認知症(アルツハイマー型・軽度)
【観察内容】
- 昼食にご飯を5割、味噌汁を全量、主菜を3割摂取
- スプーンで食事、食事時間35分(通常20分)
- 食事中に2回むせ込みあり(水分摂取時)
- 「自分で食べたい」と話された
【施設の記録ルール】
- Sは利用者の言葉をそのまま記載
- Oには具体的な数値を含める
- AはSとOの根拠に基づく判断
- Pは「誰が・いつまでに・何を」を明記
上記に基づいてSOAP記録を作成してください。
ポイント:
- 場面・利用者属性・観察内容を箇条書きで具体的に入力するほど精度が上がる
- 施設の記録ルールをプロンプトに含めると、フォーマットが統一される
- 生成後は必ず事実確認を行い、必要に応じて修正する
5-3. ClaudeでSOAP記録を作成する方法
Claude(Anthropic社)は長文生成に強みがあり、複数のSOAP記録を一度に作成する場合に便利です。
プロンプト例:
以下の5場面について、それぞれSOAP形式の介護記録を作成してください。
各場面について、介助レベルは「見守り」とします。
場面1: 食事(昼食)
場面2: 排泄(午後のトイレ誘導)
場面3: 入浴(一般浴槽・見守り)
場面4: 転倒予防(廊下の移動)
場面5: BPSD(夕方の帰宅願望)
利用者基本情報: 85歳男性、脳梗塞後遺症(左片麻痺)、認知症(血管性・中等度)
施設: 特別養護老人ホーム
各記録について:
- Sは利用者の言葉を「」で記載
- Oには測定値・時間・回数を含める
- AはSとOに基づく専門的判断
- Pは具体的なアクション(担当者・期限付き)
ChatGPT vs Claudeの使い分け:
- ChatGPT: 1件のSOAP記録を素早く作成するのに適している。音声入力(アプリ版)との相性も良い
- Claude: 複数場面をまとめて生成したい場合や、より長文で詳細な記録が必要な場合に適している
注意: AIツールはあくまで記録作成の補助です。最終的な記録内容は必ず職員が確認し、事実と異なる部分がないか検証してください。
6. 監査で指摘されないSOAP記録のポイント
介護保険施設の監査において、SOAP記録で最も多く指摘されるのは「Aの主観性」「Pの具体性不足」「問題リストとの連動なし」の3点です。 これらを押さえれば監査対応力は大幅に向上します。
よくある監査指摘と改善例
指摘①「A(評価)が主観的」
- ❌ 「元気がないと感じた」
- ⭕ 「S(食欲低下の訴え)とO(食事摂取量3割・体重−1.2kg/月)から、低栄養リスクの進行が疑われる」
指摘②「P(計画)が具体性に欠ける」
- ❌ 「様子を見る」
- ⭕ 「①明日から食事介助を5割に増やす(担当:田中)②1週間後に摂取量を再評価③3割以下の場合は主治医に報告」
指摘③「問題リストとの連動がない」
- SOAP記録は問題リスト(課題一覧)と連動していることが重要。どの問題に対する記録かが一目でわかるように、問題番号を併記する運用が推奨されています。
指摘④「記録の頻度が不足」
- 厚生労働省の「介護サービスの種類に応じた介護報酬等の算定構造」(2024年改正)では、サービス提供時の記録義務が明記されています。最低でもサービス提供の都度、SOAP記録を作成しましょう。
監査対応チェックリスト
- Sに利用者の言葉が記載されているか
- Oに具体的な数値・時間・回数が含まれているか
- AがSとOの根拠に基づいているか
- Pに「誰が・いつまでに・何を」が明記されているか
- 問題リストと連動しているか
7. 無料で自分の施設向けSOAP記録を生成する
この記事の例文を自分の施設向けにカスタマイズしてみませんか?
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- 場面を選択: 食事・排泄・入浴・転倒・BPSDから選ぶ
- 介助レベルを選択: 自立・見守り・一部介助・全介助
- 利用者の属性を入力: 性別・年齢・主な症状・配慮事項
AIが自動的にS・O・A・Pの4要素に整理して出力します。
5件までは完全無料。無制限プランは月1,480円です。
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8. まとめ+FAQ
まとめ
SOAP記録は以下のポイントを押さえれば、監査にも耐えうる質の高い記録が書けます。
- Sは利用者の言葉をそのまま記載する
- Oは数値・事実ベースで具体的に記載する
- AはSとOの根拠に基づく専門的判断を記載する
- Pは誰が・いつまでに・何をを明確にする
- 問題リストと連動させる
- AIツールを活用して記録負担を軽減する
FAQ(よくある質問)
Q1. SOAP記録のA(評価)がうまく書けません。コツはありますか? 「SとOから何が言えるか」を一文でまとめる練習が効果的です。S:食欲がない+O:食事摂取量3割であれば、「低栄養リスク」という評価が導き出せます。
Q2. SOAPは毎回必ず4要素すべて書く必要がありますか? 基本的には4要素すべて記載することが望ましいですが、問題がある利用者や状態変化があった場合は必ず完全に記載しましょう。
Q3. SOAPと自由記述(ナラティブ)はどちらが良いですか? 施設の方針と監査要件によります。重要なのは「誰が読んでも状況が理解できる記録」であることです。
Q4. AIで作成したSOAP記録は監査で問題になりませんか? 2026年現在、AIツールの使用自体を禁止する法的規定はありません。ただし、生成された内容の最終確認と署名は必ず職員が行う必要があります。
Q5. 夜勤時のSOAP記録で注意すべきことは? 夜間は状態変化が起きやすい時間帯です。排泄・睡眠・体温・呼吸状態をOに具体的に記載し、記録の共有を確実に行いましょう。
Q6. 家族への説明にSOAP記録を使っても良いですか? SOAPは専門職間の情報共有用です。家族には内容を分かりやすい言葉に言い換えた「ご家族向け報告書」を作成することをおすすめします。
Q7. 1つのケア場面でSOAPを複数書くべきですか? 複数の問題(食事低下+嚥下障害+体重減少など)がある場合は、問題ごとにSOAPを分けると評価と計画が明確になります。
参考文献・出典
- 厚生労働省老健局「介護記録の適切な作成・保存について」(老企第27号、平成18年3月)
- 厚生労働省「介護サービスの種類に応じた介護報酬等の算定構造」(2024年改正)
- Weed LL. "Medical records that guide and teach." N Engl J Med. 1968;278(11):593-600, 278(12):652-657.
- 日本介護支援専門員会「介護支援専門員実務研修受講テキスト」(2024年度版)