ADL・FIM評価2026.06.17

FIMとは?18項目・7段階評価の採点方法と記録例【2026完全ガイド】

FIM(Functional Independence Measure)とは、運動13項目+認知5項目の18項目を7段階で評価するADL尺度。126点満点の採点基準、バーセル指数との違い、リハビリ施設での実務記録例まで完全解説。

10分で読める2026.06.17CareShift Media 編集部
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FIMとは?18項目・7段階評価の採点方法と記録例【2026完全ガイド】

FIMとは?18項目・7段階評価の採点方法と記録例【2026完全ガイド】

ADL・FIM評価の記事一覧ADLとは?(バーセル指数・Lawton IADL含む総合ガイド)SOAPの書き方(評価の記録方法)

この記事の要点 FIM(Functional Independence Measure=機能的自立度評価法)とは、食事・排泄・移乗などの運動項目13項目と、理解・記憶などの認知項目5項目、計18項目を7段階(1点=全介助〜7点=完全自立)で評価するADL尺度です。合計126点満点で、リハビリテーション施設や回復期病棟で機能回復の経過観察に広く使われています。バーセル指数より詳細で認知機能も評価できる点が特徴です。本記事では採点基準、18項目の内訳、バーセル指数との使い分け、実務記録例まで解説します。


1. FIMとは?60秒でわかる基本

FIM(機能的自立度評価法)は、利用者の「日常生活動作(ADL)の自立度」を18項目・7段階で客観的に評価する標準化されたスケールです。 米国のUDS Foundationが開発し、日本ではリハビリテーション医学の分野で広く普及しています。介護保険のアセスメントやケアプラン作成、リハビリの効果測定で重要な役割を果たします。

FIMの3つの特徴:

  • 18項目の詳細評価: 運動項目13+認知項目5で、身体的機能と認知機能を別々に把握できる
  • 7段階の介助度判定: 「完全自立(7点)」から「全介助(1点)」まで、介助量を細かく分類
  • 経過観察に強い: 入院時・退院時・定期的に採点し、機能回復の推移を数値で追跡できる

FIMはADL評価の1つです。ADL全体(バーセル指数・Lawton IADL含む)の位置づけは「ADLとは?バーセル指数からFIMまで」で、リハビリ記録でのFIM活用は「リハビリSOAPの書き方」で解説しています。本記事はFIMに特化します。


2. FIMの7段階評価基準(採点ルール)

FIMの採点は「利用者がどの程度自立しているか」を7段階で判定します。 ポイントは「介助量」で判定する点です。補助具(杖・車椅子など)を使用して自立している場合は「6点(修正自立)」になります。

点数レベル状態介助量の目安
7完全自立補助具を使用しても安全・時間内に自立0%
6修正自立補助具・時間制限・安全性の配慮が必要だが概ね自立0%(用具使用)
5監視または準備介助者なしで実施可能だが、見守り・準備・声かけが必要0%(見守り)
4最小介助利用者が努力の75%以上25%未満
3中等度介助利用者が努力の50%以上50%未満
2最大介助利用者の努力は25%以上75%未満
1全介助利用者の努力は25%未満(自己達成不可)75%以上

採点の注意点:

  • 安全さが基準: 転倒リスクなく実施できれば自立。危険を伴う場合は介助レベルを下げる
  • 時間内: は合理的な時間内で完了することが自立の条件
  • 見守り(5点)は介助: 手を出さなくても、声かけ・見守りがあれば「5点」。完全に目を離せるのが「6〜7点」
  • 補助具の使用: 杖・車椅子・装具を使用して自立しているのは「6点(修正自立)」。使用せずに自立が「7点」

3. FIM 18項目の内訳と採点の具体例

運動項目(13項目・最高91点)

運動項目は、身体を動かす日常生活動作を評価します。

#項目評価のポイント採点例
1食事スプーン・箸を使用し、口まで運べるか自立で摂取=7点
2整容洗顔・歯磨き・整髪ができるか道具を準備すれば=5点
3清拭(上半身)上半身の拭き取り・着替え全介助=1点
4清拭(下半身)下半身の拭き取り・着替え一部介助=3点
5トイレ動作便座への移乗・排泄後の処置見守り=5点
6大便コントロール便意の判断・失禁の有無たまに失禁=4〜5点
7小便コントロール尿意の判断・失禁の有無自立=7点
8ベッド・椅子・車椅子間の移乗移乗動作の自立度最小介助=4点
9トイレへの移乗トイレでの移乗自立=7点
10浴槽・シャワーへの移乗入浴時の移乗全介助=1点
11歩行(または車椅子)50mの歩行・車椅子操作杖で自立=6点
12階段12〜14段の昇降手すりで自立=6点
13着替え(上半身・下半身)上衣・下衣の着脱一部介助=3点

認知項目(5項目・最高35点)

認知項目は、意思疎通と思考機能を評価します。FIMがバーセル指数と大きく異なる点です。

#項目評価のポイント採点例
14理解職員の指示・質問を理解できるか複雑な内容は一部介助=4点
15表出(表現)自分の意思を言葉・身振りで伝えられるか基本的な表現は自立=6点
16社会的交流他者と適切に関われているか見守り=5点
17問題解決日常の問題(トラブル等)に対応できるか一部介助=3点
18記憶直近の出来事を覚えているかたまに忘れる=5点

実務のポイント: 認知項目を含むため、認知症の進行と身体機能の低下を別々に追跡できます。「運動項目は安定しているが認知項目が低下」のような傾向把握に強力です。ケアプランの目標設定にも活かせます。


4. FIMとバーセル指数の使い分け

FIMとバーセル指数は、どちらもADLを評価するスケールですが、詳細度と用途が異なります。 施設の目的・対象者に応じて使い分けます。

項目バーセル指数FIM
評価項目数10項目18項目(運動13+認知5)
満点100点126点
評価段階3〜4段階7段階(介助量が詳細)
認知機能評価しない評価する
所要時間短い(5〜10分)長い(20〜30分)
向く場面介護施設での簡易評価・初期アセスメントリハ施設・回復期での詳細な経過観察

選択の目安:

  • 介護保険施設(特養・老健・デイ): まずバーセル指数で簡易評価。リハビリ強化施設ならFIMを併用
  • 回復期リハビリ病棟: FIMが標準。入院時・退院時のFIM向上が成果指標
  • 訪問介護・居宅: バーセル指数で十分。FIMは専門性が高すぎる場合も

バーセル指数の詳細は「ADLとは?バーセル指数からFIMまで」を参照ください。


5. FIM評価の実務記録例(SOAP形式)

FIMの採点結果を記録に残す際は、客観的な事実と数値を併記します。SOAP形式の記録例を示します。

記録例①:食事(FIM 6点・修正自立)

S(主観):「自分で食べたい」との発言あり。

O(客観):昼食時、福祉用スプーン(太柄)を使用し自立して摂取。ご飯5割・味噌汁全量・主菜3割。所要時間35分(通常20分)。むせ込みなし。

A(評価):通常スプーンでは摂取困難だが、福祉用具(太柄スプーン)を使用することで自立摂取可能。FIM食事=6点(修正自立)。所要時間の延長あり。

P(計画):福祉用具の継続使用。摂取量・所要時間を週1回モニタリングし、栄養状態悪化がないか経過観察。

記録例②:歩行(FIM 5点・監視)

S(主観):「歩きたい」と訴え、廊下への意欲を示す。

O(客観):杖を使用し廊下を約20m歩行。歩行中に軽度のふらつき2回あり、声かけで安定。転倒なし。休憩なしで完歩。

A(評価):杖歩行は可能だが、ふらつきがあるため見守りが必要。FIM歩行=5点(監視または準備)。転倒リスク中程度。

P(計画):職員の見守り下での歩行訓練を週3回継続。杖の適合性をPTに再評価依頼。

客観的記録の基本(5W1H・数値の記載)は「介護記録の書き方」、SOAP形式の詳細は「SOAPの書き方完全ガイド」で解説しています。


6. FIMのメリット・限界と注意点

FIMを使う3つのメリット

  1. 詳細な介助度判定: 7段階評価で、バーセル指数(3〜4段階)より細かく機能変化を捉えられる
  2. 認知機能の評価: 認知項目5項目により、身体機能と認知機能を分離して追跡可能
  3. 経過観察の客観性: 入院時・退院時・定期的に採点し、リハビリ効果を数値で証明できる(回復期病棟の成果指標として標準)

FIMの限界・注意点

FIM運用上の注意4点:
  • 採点者間のばらつき:7段階の判定は主観が入りやすく、採点者間でばらつきが生じる。定期的な採点者研修・ダブルチェックが推奨される
  • 所要時間:18項目の評価に20〜30分を要する。全利用者に毎月実施するのは現実的でない場合がある
  • 重度障害者への限界:全介助(1点)の利用者が多い場合、変化が捉えにくい。この場合はFIMより詳細なFIM+やASIA分類を検討
  • 法律上の義務ではない:介護保険のアセスメントでFIM使用は必須でない。施設の方針・対象者に応じた選択

7. よくある質問(FAQ)

Q1. FIMとバーセル指数はどちらを使えばいいですか?

施設の目的と対象者によります。介護保険施設(特養・老健・デイ)での簡易評価ならバーセル指数、リハビリ施設・回復期での詳細な経過観察ならFIMが適しています。両方を併用する施設も多いです。詳細は第4章を参照ください。

Q2. FIMの採点に資格は必要ですか?

FIMの実施自体に資格は不要ですが、正確な採点には研修が推奨されます。米国のUDS Foundationが認定する「FIM認定資格」もありますが、日本では任意です。施設内で採点基準を統一する研修を実施するのが現実的です。

Q3. FIMの点数と要介護度は関係ありますか?

直接的な換算表はありませんが、FIMの合計点が低いほど要介護度が高くなる傾向があります。FIMはアセスメントの一手段であり、要介護認定は「基本調査項目」に基づく別の仕組みです。FIMの結果をケアプラン作成の参考に活用します。

Q4. FIMは認知症の利用者にも使えますか?

使えます。FIMは認知項目(理解・表出・社会的交流・問題解決・記憶)を含むため、認知症の進行を身体機能の低下と別々に追跡できます。ただし、重度の認知症では質問への回答が難しく、採点に工夫が必要な場合があります。

Q5. FIMの評価頻度はどのくらいが適切ですか?

回復期リハ病棟では入院時・退院時が標準。介護保険施設では月1回〜3ヶ月に1回程度が目安です。頻繁すぎると職員負担が大きく、少なすぎると変化を捉えられません。施設の方針と対象者の状態で調整します。


8. まとめ・次のステップ

FIM(機能的自立度評価法)の要点を振り返ります。

  • FIMとは、運動項目13+認知項目5の計18項目を7段階で評価するADL尺度。126点満点
  • 採点のコツは「安全さ」「時間内」「介助量」で判定。見守りは5点、補助具使用は6点
  • バーセル指数との使い分け: 簡易評価はバーセル、詳細な経過観察はFIM
  • 認知項目により、認知症進行と身体機能低下を分離追跡できる
  • 採点者間のばらつきに注意。研修とダブルチェックで精度を保つ

ADL評価の全体像(バーセル指数・Lawton IADL含む)は「ADLとは?バーセル指数からFIMまで」、評価結果を記録に活かす方法は「介護記録の書き方」と「SOAPの書き方完全ガイド」で深掘りします。

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CareShift Media 編集部

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