DX・AI活用2026.06.16

生成AI×介護|ChatGPT・Claudeでできること・活用事例まとめ

生成AI(ChatGPT/Claude/Gemini)×介護の活用事例を解説。介護記録の下書き、SOAP生成、ケアプラン文例、家族説明文の作成など、現場で使えるプロンプト付き。

12分で読める2026.06.16CareShift Media 編集部
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生成AI×介護|ChatGPT・Claudeでできること・活用事例まとめ

生成AI×介護|ChatGPT・Claudeでできること・活用事例まとめ

介護職がタブレットで生成AIに記録の下書きを作成させている場面

生成AI(ChatGPT・Claude・Gemini)は、介護現場の記録作成や文書作成を支える強力な助手です。本記事では、生成AI 介護の現場ですぐ使えるプロンプト実例と、用途別の使い分けをまとめます。専用ツールの導入前に、まずは汎用生成AIでできることを確認しましょう。

この記事の要点 生成AI(ChatGPT・Claude・Geminiなど)は、介護現場で記録の下書き作成、SOAP形式への構造化、ケアプラン文例の生成、家族向け説明文の作成などに活用できます。厚生労働省「介護分野における生産性向上に資るケア・ICTガイドブック」でも、AI・ICTの活用は記録負担軽減の手段として位置づけられています。本記事ではコピーして使えるプロンプト実例と、3つの生成AIの用途別比較を解説します。

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1. 生成AIとは?介護現場での位置づけ

生成AIとは、入力された文章に続いて「もっともらしい文章」を生成する技術です。 介護現場では、記録や文書の「下書き作成・整理・変換」を支援する助手として活用が始まっています。生成された内容は人が事実確認することが前提で、最終判断は職員が行います。

生成AIを支えるのが**LLM(大規模言語モデル・Large Language Model)**です。膨大な文章を学習し、入力(プロンプト)に対して自然な日本語で応答します。代表的なサービスがChatGPT(OpenAI社)、Claude(Anthropic社)、Gemini(Google社)の3つです。

介護現場での生成AIは「判断を代行するもの」ではなく「文書作成の工数を減らす助手」と捉えるのが適切です。

技術役割介護での活用例
生成AI(LLM)文章の作成・要約・翻訳記録の下書き・SOAP整形
介護記録AI(専用)音声→定型記録の自動化タップカルテ・むすぼなAI等
介護ロボット・IoT身体負担軽減・見守り移乗ロボ・見守りセンサー

音声入力特化の専用記録AIツールの比較は介護記録AI完全ガイドを参照ください。本記事は「ChatGPT・Claude等の汎用生成AIで何ができるか」に絞って解説します。


2. 生成AIでできる7つのこと

生成AIは介護現場の文書作成を7つの方向で支えます。 いずれも「下書きの作成・整理・変換」が中心で、職員の最終確認と署名が必須です。

#用途入力例出力例
1介護記録の下書き生成箇条書きメモ整形された記録文
2SOAP記録の自動構造化時系列メモS/O/A/P形式の記録
3ケアプラン文例の生成目標と課題長期/短期目標の文例
4家族説明文の作成伝えたい要点丁寧な連絡文
5研修・勉強会資料の作成テーマ講義メモ・小テスト案
6長文の要約週間記録・会議録ポイント整理
7外国籍スタッフ向け翻訳日本語の手順書多言語への翻訳

以下、現場で頻度の高い3つの用途(記録下書き・SOAP・ケアプラン文例)について、コピーして使えるプロンプトを示します。SOAP形式の基礎はSOAP記録の書き方完全ガイドで詳しく解説しています。


3. 活用事例1:介護記録の下書き生成

介護記録の下書き生成は、生成AIの最も手軽な活用法です。 箇条書きのメモをAIに渡すだけで、施設のフォーマットに沿った文章に整形できます。介護保険法に基づくサービス提供の都度記録という義務を、効率的に満たす補助として有用です。

【場面】入浴介助(一部介助) 【利用者】80代女性・右片麻痺 【状況】一般浴槽を利用。脱衣は見守り、着衣は右半身を介助。

プロンプト例(コピー&ペーストで使えます):

あなたは介護記録の作成補助です。
以下のメモを、施設の介護記録フォーマットに沿った文章に整形してください。

【場面】入浴介助(一部介助)
【利用者】80代女性・右片麻痺
【メモ】
- 一般浴槽使用、入浴時間15分
- 脱衣は見守り、着衣は右半身を介助
- 湯温41度、リラックスされた様子
- 「気持ちよかった」と発言
【ルール】
- 事実と利用者の言葉を分ける
- 利用者の言葉は「」で記載
- 主観的な推測は書かない

出力のNG例→OK例:

  • ❌ NG: 「とても元気に入浴され、リラックスされたご様子でした。楽しまれたと思います。」(「とても」「〜と思います」は主観的)
  • ✅ OK: 「一般浴槽にて入浴(15分)。脱衣は見守り、着衣は右半身を介助。湯温41度。『気持ちよかった』と発言あり。」

出力後は必ず職員が事実確認し、修正してから記録に反映してください。


4. 活用事例2:SOAP記録の自動構造化

SOAP(ソープ)は、主観的情報(S)・客観的情報(O)・評価(A)・計画(P)の4要素で記録する手法です。 生成AIは、時系列のメモをこの4要素に振り分ける「構造化」に優れています。SOAPの書き方自体はSOAP記録の書き方完全ガイドで解説しています。

ここでは「メモをSOAPに構造化するプロンプト」に絞ります。

【場面】食事介助(見守り) 【利用者】70代男性・脳梗塞後遺症

プロンプト例:

以下のケア場面のメモを、SOAP形式の介護記録に構造化してください。

【場面】食事介助(見守り)
【利用者】70代男性・脳梗塞後遺症
【メモ】
- 昼食にご飯5割、味噌汁全量、主菜3割摂取
- スプーン使用、食事時間35分(通常20分)
- 水分摂取時に2回むせ込み
- 「自分で食べたい」と話された
【ルール】
- S: 利用者の言葉を「」で記載
- O: 数値を含める
- A: 根拠に基づく判断
- P: 「誰が・いつまでに・何を」を明記

出力例(SOAP構造化):

要素記載内容
S(主観)「自分で食べたい」と発言
O(客観)ご飯5割・味噌汁全量・主菜3割摂取、食事時間35分(通常20分)、むせ込み2回
A(評価)摂取量の低下とむせ込みあり。嚥下機能の変化が疑われる
P(計画)担当職員が〇月〇日までに嚥下状態を観察し、看護師に報告する

A(評価)とP(計画)は、AIの推論が入りやすい部分です。必ず職員が医学的・ケア的妥当性を確認してください。


5. 活用事例3:ケアプラン文例の生成

ケアプランの目標や支援方針の「文例」生成は、生成AIの得意分野です。 ただし、利用者の個別性を反映した最終内容はケアマネジャーが構築するものであり、AIはあくまで文例のたたき台を提供します。

ケアプラン作成ツール(SOIN・ミルモぷらん等)の比較はAIでケアプラン作成で解説しています。ここでは「文例を生成するプロンプト」に絞ります。

【場面】居宅サービス計画・短期目標の文例検討 【利用者】要介護2・80代女性

プロンプト例:

以下の条件で、居宅サービス計画の短期目標の文例を3パターン作成してください。

【利用者の状況】
- 要介護2、80代女性
- 右片麻痺、ADL維持が課題
- 「家族と外出したい」という意向
【ルール】
- 目標は具体的・測定可能に
- 期間は3ヶ月
- 利用者の意向を反映する

出力例(文例パターン):

  • パターン1: 「3ヶ月後、週1回の外出時において、杖を使用して5分間連続歩行ができる」
  • パターン2: 「3ヶ月間、月1回の家族外出を継続し、右下肢の筋力維持に取り組む」
  • パターン3: 「3ヶ月後、屋外歩行時に転倒なく、家族と月1回の外出を実現する」

文例はあくまで参考です。利用者の実態に合わせ、ケアマネジャーが必ず修正してください。


6. 生成AI利用の注意点(個人情報・ハルシネーション・法令)

生成AIを介護現場で使う際は、個人情報保護・ハルシネーション・法令遵守の3点に留意します。 個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)および厚労省のガイドラインの趣旨に沿った運用が求められます。

注意点1:個人情報の取り扱い

利用者を特定できる情報(氏名・生年月日・固有の識別番号等)は入力しない運用をおすすめします。AIサービスによっては入力データをモデルの学習に利用する場合があり、個人情報保護法に照らして慎重な取扱いが必要です。

入力OK入力NG
「80代女性・右片麻痺」氏名・生年月日
「要介護2」介護保険被保険者番号
「食事摂取量5割」施設名・住所・電話番号

注意点2:ハルシネーション(もっともらしい誤情報)

生成AIは、事実と異なる内容を「もっともらしく」出力することがあります。この現象をハルシネーションと呼びます。特に数値・法令名・医学的判断では発生しやすいため、出力は必ず事実と照合してください。

注意点3:法令・記録の責任

介護記録は介護保険法に基づき、サービス提供の都度作成・保存する義務があります(老企第27号「介護記録の適切な作成・保存について」)。AIが作成した文面であっても、最終的な確認と署名の責任は職員にあります。


7. ChatGPT/Claude/Geminiの比較(介護用途別)

代表的な3つの生成AIは、それぞれ得意・不得意があります。 介護の用途に応じて使い分けることで、効果を最大化できます。

項目ChatGPT(OpenAI)Claude(Anthropic)Gemini(Google)
得意な用途短い記録の迅速生成長文の整理・構造化Google Workspace連携
日本語の自然さ高い高い高い
扱える文脈の長さ長め非常に長い長め
利用上の注意学習利用設定を確認学習利用設定を確認Workspace契約に依存

用途別のおすすめ:

  • 1件の記録を素早く作成したい: ChatGPT
  • 複数場面の記録をまとめて構造化したい: Claude
  • 既存のGoogleドキュメントと連携したい: Gemini

いずれも「入力データを学習に利用しない」設定の有無を、利用前に確認してください。無料版では学習に利用される設定が既定の場合があります。


8. まとめ+FAQ

まとめ

  1. 生成AIは介護現場の文書作成を「下書き・整理・変換」で支える助手です。
  2. 7つの用途(記録下書き・SOAP・ケアプラン文例・家族説明文・研修資料・要約・翻訳)に活用できます。
  3. プロンプト次第で、記録や文例の作成工数を大きく削減できます。
  4. 個人情報・ハルシネーション・法令の3点に必ず留意します。
  5. ChatGPT・Claude・Geminiは用途に応じて使い分けるのが効果的です。

DX・AI活用の全体像はDX・AI活用の記事一覧も併せてご覧ください。

FAQ(よくある質問)

Q1. 生成AIで作成した記録はそのまま保存してよいですか? そのままの保存はおすすめしません。生成内容は必ず職員が事実確認し、必要に応じて修正・署名してください。AIはあくまで下書き作成の補助です。

Q2. 利用者の名前を入力しても大丈夫ですか? 個人情報保護法の観点から、氏名等の特定情報の入力は避ける運用をおすすめします。「80代女性・右片麻痺」など、特定できない形で入力してください。

Q3. ChatGPTとClaudeはどう使い分けますか? 1件の短い記録を素早く作るならChatGPT、複数場面をまとめて長く構造化するならClaudeが向いています。まずは両方の無料版で試すのが効果的です。

Q4. ケアプラン全体をAIで作れますか? 文例の生成は可能ですが、利用者の個別性を反映した最終内容はケアマネジャーの判断が必要です。専用ツールの比較はAIでケアプラン作成を参照ください。

Q5. 音声入力と組み合わせられますか? 可能です。スマートフォン等で音声メモを取り、それを生成AIで整形する方法が効率的です。音声特化の専用記録AIについては介護記録AI完全ガイドを参照ください。


参考文献・出典

  • 厚生労働省老健局「介護記録の適切な作成・保存について」(老企第27号)
  • 厚生労働省「介護分野における生産性向上に資るケア・ICTガイドブック」
  • 個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)
  • 各社公開情報(OpenAI・Anthropic・Google)

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CareShift Media 編集部

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